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街頭演説で目撃…なぜ演説がうまいのか?
今回の衆院選で、私は進次郎氏の街頭演説を6回聴きに行った。他の演説者の話は焦点が定まらず、喋り方も平坦なため、頭に残りづらい。しかし、彼は言葉に抑揚をつけながら、自民党の良さをアピールするだけでなく、裏金問題にも触れて反省を口にする。そして、「だけど」「でも」などの接続詞で聞き所を提示するため、話がスッと入ってくる。 赤ちゃんを抱いている人や女子高生に話しかけて親近感を抱かせる点も含め、聴衆を惹きつける技術は天下一品だった。 進次郎氏はSNSでの拡散を頭に入れているためか、スマホを向ける人たちに対し、右手と左手を交互に使いながら手を振っていた。全ての人が綺麗に写真を撮れるように、手と顔が被らないようにしているのだろう。また、ピースサイン、OKマークなど複数のポーズを取っていた。拡散写真が見飽きられないように工夫していると感じた。 賛否はあれど、彼の言動は政治に興味を抱かせる1つの要因にもなっている。街頭演説を見ても、人を惹きつける能力は間違いなくある。ただ、それだけでは単なる客寄せパンダで終わってしまう。試行錯誤の末に生まれたはずの演説技術のように、勉強を重ねて政策通と呼ばれる実力派になれば、鬼に金棒になるだろう。
(「プロ野球PRESS」岡野誠 = 文)
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