7~9月期の実質GDP、前期比0.2%増 2四半期連続のプラス成長
内閣府が15日発表した2024年7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)の速報値は、物価の変動を除いた実質で前期比0.2%増となり、この状態が1年続いた場合の年率換算は0.9%増だった。2四半期連続のプラス成長となった。 認証不正問題で停止していた自動車の生産が持ち直したことに加え、スマートフォンの新商品販売があったことや、パックご飯など飲食料品の消費が増えたことが寄与した。 GDPの過半を占める個人消費は、前期比0.9%増で、2四半期連続のプラス成長を維持した。自動車の生産回復によって耐久財の消費が3.7%増だった一方、猛暑などが影響し衣服は不調で半耐久財は2.8%減だった。設備投資は工場の設計サービスなどの減少が響き、0.2%減で2四半期ぶりのマイナスとなった。 輸出は金属製品が好調だったことから0.4%増となり、2四半期連続で増加。輸入は医薬品やスマートフォンの増加で、2.1%増だった。輸出から輸入を差し引いた「外需」(純輸出)は成長率を0.4%分押し下げた。輸出に分類されるインバウンド(訪日外国人客)の消費は、前期比13.3%減で、22年4~6月期以来の減少に転じた。 サラリーマンや公務員などが受け取る給与・報酬の総額を示す「雇用者報酬」は実質で前年同期比0.9%増だった。 物価変動の影響を調整しない名目GDPは0.5%増で、年率換算は2.1%増。実額では610.9兆円となり、過去最高を更新した。【古川宗、山下貴史】