減便した路線バスを補うコミュニティーバス、無料にしても乗客の姿なし 高齢化率50%を超える町の現実
□ ■ □ 町は佐多、根占両地域で各方面にコミュバスを走らせるほか、診療所の送迎バスや通学用スクールバスを運行する。佐多地域ではスクールバスに一般利用者が乗れる「混乗」も可能だ。 運転免許を持たない大泊地区の70代女性は以前、鹿屋市への通院などに路線バスを使っていた。現在コミュバスや混乗を利用することはほとんどない。「最近はタクシーを呼ぶか、知り合いに車を出してもらうよう頼む」。佐多石蔵で乗り継ぎが必要な上、運行日が限られるのがネックという。足の不調もあり「お金がかかるけど、今は歩く距離が少ない方がいい」とこぼす。 町の高齢化率は51.3%(9月1日現在)と65歳以上が過半数を占める。大泊自治会の大久保光幸会長(69)は「高齢化がさらに進むことを考えると、自宅から目的地まで直接行けるような手段の充実が望まれているのではないか」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島