「夫が発した言葉で我に返った」元TBSアナ・青木裕子 息子たちの小学校受験で「どこかには受かって」と願ったことも
2人の息子が小学校受験を経験した青木裕子さん。子どもにマッチする学校選びが大切だと思いながらも、一生懸命に取り組む過程で「どこかには受かって」と願うようになった時期もあったそう。そんなときに、夫の矢部浩之さんのブレないひと言がありがたかったと言います。(全3回中の2回) 【写真】「もうこんなに大きいの!?」成長いちじるしい青木さん・矢部さんの息子たち ほか(全12枚)
■小学校受験はマッチング「就職活動と似ている」 ── 小3と小5の兄弟を育てる青木さん。息子さんは2人とも小学校受験を経験していますが、ふり返って感じることは?
青木さん:小学校受験は「子どもや家庭の特性と学校の相性」が大切だと感じました。私自身は小学校受験を経験していないのでわからないのですが、高校や大学受験と比べて、自分にマッチする相手(学校)を選ぶ点で、小学校受験は就職活動と似ているなと思います。有名校に行くことがすごいのではなく、家庭の教育方針や「6年間こんなふうに過ごしてほしい」といった希望をふまえ、合う小学校を探すイメージですね。わが家では「どんなふうに子どもを育てていきたいか」など教育方針について、夫婦で話し合う時間を大切にしました。
── 「自分たちに合う学校を探す」という考え方なんですね。でも、いざ受験となると迷ったり、ストレスを感じる人たちもいます。 青木さん:受験は合否がわかれますから、受験直前の時期は多少、しんどく感じることがあるでしょう。「この学校に行かなきゃ」と、学校ありきで受験を始めると特にしんどいだろうと思います。また、小学校受験は点数だけで不合格になるものでなく、生活態度や友達との接し方を見られ、親の面談も含まれることもあります。何がダメで不合格なのかわからず、それまでの子育てを否定された気持ちになるのもわかります。経験上、就職活動もそれまでの人生を評価される部分があり、落ちると人生を否定された気持ちになるので、やはり似ていますね。
ほかの受験者との兼ね合いも合否をわける要素になりえます。ある意味マッチングだと割りきって「しょうがないな」と、受け止められる自分を持っておくといいと思います。 ── 小学校受験は、複雑な要素がからみあう世界なんですね。 青木さん:いまは世の中も、複雑な方向に動いているのではないでしょうか。偏差値で進学先を決めるよりも、それぞれの価値観で生きていくことが求められる社会になっていくでしょう。私は偏差値で学校を決め、就職活動もこれくらいの会社に行けばいいのではと、わかりやすい尺度の中で生きてきた人間なので、これからの子どもたちは大変だろうなと思います。だからこそ、自分の価値観で物事を決める力を身につけるには、やはり、子どものときからたくさんの経験を積み重ねることなのかな、と考えます。