「盛大な結婚式をあげないのは家の恥!」見栄っ張りな義母のせいで…「ジミ婚」にしたかった33歳女性が受けた「耐えがたい苦痛」
「盛大な結婚式をあげないのは家の恥」といわれ
大学卒業後も順調に交際を続け、奨学金を完済したところで結婚を具体的に意識するようになったという。お金で苦労してきた堅実なふたりだけに、「お金がもったいないから挙式や披露宴はやらずに入籍とハネムーンだけで済ませよう」と決めたというが、淳平さんの実家に大反対されたという。 「『親戚に顔向けができない』とか『世間体が悪い』などと言われました。夫の実家も裕福ではないはずなのに、夫の地元では未だに親戚やお世話になった知り合いなど、何百人も招待するような盛大な結婚式が当たり前で、それをやらないのは家の恥だという考えでした」 ただでさえ目立つことが苦手な絢美さんにとって、「大金をかけてさらし者になる結婚式」は苦痛でしかなく、絢美さんと同じ考えである淳平さんが必死に実家を説得にあたったというが、まったく聞く耳を持たなかったどころか、絢美さんに対してあらぬ疑いを向けてきたそうだ。 「義母から『何か世間にお披露目できない理由でもあるの?』と言われたのです。他人に言えない過去があるとか、人目を忍ぶ必要があるのか、みたいなことです。もちろん、そんなことはありませんが、義母はしきりに勘繰って来ました」 淳平さんと絢美さんは、義母からの執拗な追及から逃れ、かつ絢美さん自身の名誉を守るべく、「本当に親しい人だけを招いた、こじんまりとしたものする」ことを条件に、結婚式を承諾した。 これは「自分たちのお金だけで賄いたい」というふたりの切実な願いであり、それが両者の妥協点だった。ところが納得したはずの淳平さんの実家が、準備が進むにつれ話を二転三転させていく。
親友が縫ったドレスは「貧相」と却下
「当初は招待客50人のレストランウエディングだったのですが、義父母が『招待された、されないで親戚に不公平が出ると気まずい』とか『息子の結婚式をケチるくらい金に困っていると思われる』などと言い出して、招待客がどんどん増えていったんです。結局レストランでは入りきらなくなり、予算もないのにホテルの宴会場を使うことになりました」 「話が違う!」と憤る絢美さんだったが、実家の板挟みになっている淳平さんの立場や「結婚前に婚家と揉めるのは良くない」という両親からの説得で矛先は収めたものの、さらなるダメージが待ち構えていた。 「私は親友が手作りしてくれたドレスを着る予定だったのですが、『ホテルのウェディングプランに衣装はセットになっている』と言われてしまったのです。その時はすでにドレスが出来上がっていましたし、友情の証とも言えるドレスは絶対に着ると決めていたので、これだけは譲れないと直談判したのですが…」 親友の縫ってくれたドレスを手にして、義母の説得にあたったというが、 「ホテルの豪華なドレスに比べるといかにも手作りという感じで貧相じゃない? 淳平のタキシードとのバランスも悪いからこれは着ないでちょうだい」 と却下される。 「さすがにここまで言われたら、抵抗する気も失くします。こちらが何を訴えても、自分の思い通りにしないと気が済まない義母に失望しました」 結局このドレスは二次会で着ることになったというが、話はこれだけで終わらなかった――。 つづく後編記事「「全部アンタたちのせいだ!」義母が結婚式のご祝儀をくすね、実家の工場は倒産し、弟も大学中退…慟哭が止まらない「33歳女性の告白」」では、結婚式の後、絢美さんの身に起きた“さらなる悲劇”について、詳報します。
清水 芽々(ノンフィクションライター)
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