コラム:亜州・中国(23) 経済発展続けるフィリピンの最新事情
変貌したマニラと変わらぬ夕日
今回のマニラ訪問は2003年10月以来、21年ぶり。首都圏の中心部は様変わりしていた。マカティの高層ビル群は一段と上空に伸びている。軍駐屯地があった一帯は再開発され、未来都市のような景観のBGCに生まれ変わった。 日比国交正常化70周年を迎える26年ころには、フィリピンの人口は日本を抜くとの予測もある。若い世代が多いこともあって、電子決済、配車アプリなどのデジタル化は日本以上に進んでいる。 あまりの変貌ぶりに“今浦島”のような心境になった。だが、フィリピンの人たちのホスピタリティと、世界的にも有名なマニラ湾の夕日の美しさは昔日と少しも変わっていない。
【Profile】
泉 宣道 IZUMI Nobumichi 1952年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本経済新聞社に入社。政治部に通算13年半、マニラ・北京に8年余り駐在、クーデター未遂事件、鄧小平死去、香港返還に遭遇するなどアジア諸国で長年、取材を続けている。アジア部長、論説副委員長、大阪本社編集局長、専務執行役員名古屋支社代表などを歴任。日本経済研究センター名誉会員。1991-92年にフィリピン外国人特派員協会(FOCAP)会長。ニックネームはNonoy(ラモス元比大統領が命名)。共著に『中国――「世界の工場」から「世界の市場」へ』(日本経済新聞社)、『2020年に挑む中国――超大国のゆくえ』(文眞堂)など。