高輪ゲートウェイシティがCO2排出実質ゼロの“サステナタウン”にリニューアル
高輪ゲートウェイ周辺地区の再開発は大詰めに
2024年7月30日、JR東日本と株式会社えきまちエナジークリエイト、株式会社ジェイアール東日本物流は、2025年3月下旬オープン予定の「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」において、水素・バイオガス・多様な再生可能エネルギーを活用し、地球に優しいサステナブルなまちづくりに取り組むと発表した。 【写真】「高輪ゲートウェイシティ」周辺の再開発計画をイラストで見る 高輪ゲートウェイシティは、JR東日本が品川開発プロジェクトの一環として、「Global Gateway」という開発コンセプトのもとで「100年先の心豊かなくらしのための実験場」として新たなビジネス・文化が生まれ続けるまちとして再開発が進められてきた。 「THE LINKPILLAR 1」と高輪ゲートウェイ駅周辺エリアは2025年3月下旬に開業し、その他の施設(「THE LINKPILLAR 2」、「文化創造棟」、「TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE」)は2025年度中の開業を目指しているという。
蓄熱槽による高効率なエネルギーマネジメント
「THE LINKPILLAR 2」地下の地域冷暖房施設に、国内最大級の蓄熱槽を導入することで、効率の高いエネルギー供給を実現するとともに、災害時に蓄熱槽の水を非常用水として使用し、生活者や地域のBCPに貢献する。 また、建物内エリアをゾーン別に細分化して空調設備を運転制御する「デマンドレスポンス・ゾーン別空調管理システム」により、快適性と街全体での最適なエネルギー利用の両立を目指している。
水素の有効活用
街を走る電動モビリティや物流インフラなど、様々な場面で水素を利用するという。具体的には、2025年3月に高輪ゲートウェイ駅に水素燃料電池システムを設置し、将来的には、街の中で再生可能エネルギーにより水素を製造することを検討しているという。 また、次世代型物流プラットフォーム構築の一環として、2024年6月に外部デポを平和島に整備。この拠点を中心に「集約型館内キャリー」で街の中に効率的に配送を行い、この配送に、水素を利用したFC(燃料電池)トラックの活用を予定している。
廃棄物を再利用する「サーキュラーエコノミー」
街全体でCO2排出量「実質ゼロ」を目指すとともに、廃棄物を資源として再利用するサーキュラーエコノミーの一環として、街の中に東日本エリア初のビルイン型バイオガス設備を2025年3月に設置する。また、食品の残渣を資源として再利用し、発酵させて生成されたガスを燃料としてビル内のボイラーを使用し、ホテルの給湯における約10%の熱が賄われる予定だ。 品川駅周辺エリアの価値向上に向けた再開発プロジェクトは今後も推進されていくそうなので、「人と環境の両方に優しいまちづくり」がどう進化していくのか将来の展開が楽しみである。