「東京大学医科学研究所らが11月に発表」コロナの新しい変異株「XEC株」はどんなウイルスか この冬の対策とワクチン追加接種について医師が解説
この研究結果を解釈すると、2つの可能性が考えられる。1つめは「高齢者は4回以上の接種が必要である」という可能性、2つめは「最終接種から間隔があくと、感染予防だけでなく、重症化の予防効果も低減する」という可能性だ。 アメリカ疾病対策センター(CDC)は、6月27日、今冬の流行に備えて、「生後半年以上に対し、コロナワクチンの追加接種」を推奨した。これが世界の医学界の、現時点でのコンセンサスと考えていいだろう。
日本は公費接種の対象は65歳以上か、60~64歳で基礎疾患を有する人に限定される。これでは不十分だ。高齢者はもちろんだが、少なくとも、乳幼児や60歳未満でも病を抱えている人、そしてその家族は、今冬の流行に備えてワクチンを接種することを勧めたい。 コロナは未解明な点が多い感染症で、死亡、後遺症のいずれも看過できるものではないからだ。
上 昌広 :医療ガバナンス研究所理事長