あなたの引き出し、ゴミ箱になっていませんか?断捨離の第一人者・やましたひでこさんが教える「引き出しの中」と「心の状態」の深い関係
◆引き出しを断捨離すると、後ろめたさから解放される なぜ私たちはワンクッション置いてしまうのか。 その深層心理を見てみましょう。 引き出しの一番の弊害は、中を見えなくしていることです。モノを突っ込んで、閉めて隠してしまう、それは心理的にも隠そうとしていること。なぜ隠すのかといえば、私たちは基本的にモノを捨てることが後ろめたいから。その後ろめたさこそがワンクッションなのです。 私たちはモノを捨てるとき、以下の3つの心理が働きます。 1つめは、決断するのが「面倒くさい」という心理。表層の部分では事を起こすのが面倒くさいと感じています。なぜならモノが多すぎるから。 次に働く心理は「もったいない」です。「せっかく買ったのに」「まだ使えるのにもったいない」と思い、とっておきます。 もう1つは、捨ててしまうとモノはなくなるため、「心許ない、寂しい」という心理も働きます。 これら3つが表層の心理を占めています。 そして、その下に隠れている心理が、後ろめたさ(罪悪感)です。「使えるモノ、形あるものを捨てるなんて」という心の痛みのこと。 こうした感情ともつきあいたくないし、面倒くさいし、もったいないし、なくなって寂しいなら、もはや引き出しに突っ込むしかない。突っ込んで存在を忘れようとします。そして実際に忘れてしまいます。 さらに恐ろしいことに「収納=片づける」というポジティブな概念があり、自分の心をカムフラージュしているのです。
◆引き出しはあなたの心の状態――「見えない収納」から何が見える? 引き出しは、閉じればたちまち、中が見えなくなります。つまり「見えない収納」。 収納には3つの種類があります。 1つは、この「見えない収納」。引き出しをはじめ、扉を閉めれば中が見えない棚や押し入れもそれに当たります。 2つめは、「見える収納」。代表格が、ガラス扉の食器棚です。むき出しではないけれど、外から中をのぞき見ることができます。 3つめは、「見せる収納」です。これは、扉のない棚に置かれた器、床の間の花などがあげられます。 これら3つの収納のポイントは、空間に対してモノを7割(見えない収納)、5割(見える収納)、1割(見せる収納)に留めること。 この「7:5:1の法則」を提唱しています。 引き出しは「見えない収納」と言いながら、実はいろいろなものを見せてくれます。これが断捨離の視点です。 見えない収納には、目に見えない「思考・感覚・感性」がすべて詰まっています。もっとはっきり言うのなら、思考の浅さ、感覚のゆるみ、感性のにぶりが透けて見えてしまうのです。怖いですよね。
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