トヨタのラリー育成は4名全員がプログラム継続。3期生の松下、後藤はラリー3にステップアップ
11月25日、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)が愛知県名古屋市で、WRC世界ラリー選手権の来季2025年に向けた参戦体制発表を実施。この発表会のなかで、同チームが行う育成プログラム“TGR WRCチャレンジプログラム”について言及があった。 【写真】山本雄紀がドライブするトヨタGRヤリス・ラリー2 WRC第13戦ラリージャパン2024 TGR WRC チャレンジプログラムは、トヨタが「世界レベルで戦えるプロのラリードライバーの育成」を目的として、2015年にスタートさせたもの。このプログラムの1期生として世界を目指した勝田貴元は現在、TGR-WRTのワークスドライバーとしてシリーズにフル参戦し、並み居る世界の強豪たちと戦いを繰り広げている。 そんな勝田を追いかける育成プログラム2期生の小暮ひかると山本雄紀、同3期生の後藤正太郎と松下拓未の4名については、引き続きフィンランドを拠点にキャンペーンが継続されることが決まった。 「2期生の小暮ひかると山本雄紀は今年、ラリー2マシンでいくつかのイベントに参戦し、非常にいいポテンシャルを見せてくれた」と語るのはTGR-WRTでチーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラだ。 同氏は続けて、小暮と山本が「2025年はより多くのイベントに参戦することになるはずだ」と述べている。また、3期生にふたりには新たなチャレンジを要求。 「松下拓未と後藤正太郎は来年、ラリー3にステップアップし四輪駆動車に慣れてもらうことになる」とした。ともにラリーの経験が浅かった両名は今年、前輪駆動のラリー4マシンでヨーロッパの国内選手権に参戦していた。 なおTGR WRCチャレンジプログラムは、すでに4期生のセレクションが終盤を迎えている。12月にフィンランドで実施される最終選考には1次、2次選考を通過した6名のドライバーに加え、この2024年に始まったモリゾウチャレンジカップの今シーズンのチャンピオンドライバーが合流する予定だ。また、2025年にはコドライバーの育成プログラムも始まる予定だという。 ●小暮ひかる(TGR WRCチャレンジプログラム2期生) 「今年1年間、ラリー2で参戦させていただき、いろいろな経験をさせてもらいました。その中でステージでスピードを見せられた一方、安定性がなく、クラッシュなどでなかなかリザルトを残せなかったので、来年1年は安定性を持った状態でスピードを見せて結果が残るような1年にしたいと思います」 ●山本雄紀(TGR WRCチャレンジプログラム2期生) 「今年からラリー2に乗せていただきました。経験が一番大事なシーズンだったので、完走重視で走ることも多かったのですが、来年は2度目の参戦になるイベントも増えますし、スピードを見せていかなければいけない場面も増えると思うので、ラリーの運び方から含めて終始スピードを見せられるように頑張りたいと思います」 ●後藤正太郎(TGR WRCチャレンジプログラム3期生) 「自分は今年、プログラムに加入してからラリーを始めて1年間いろんなことを体験したので、来年ももっともっといろんなことを体験して、さらに強くもっと速くなりたいと思います」 ●松下拓未(TGR WRCチャレンジプログラム3期生) 「今年は前輪駆動のラリー4をドライブし、ほとんどラリー経験のない状態からたくさんのことを学ばせていただきました。来年は四輪駆動のクルマに変更して、フィンランドでWRCプログラムを続けられることを大変うれしく思っています。これから一戦一戦しっかり学んで結果を出していきたいなと思っています。よろしくお願いします」 [オートスポーツweb 2024年11月25日]