なぜ三木谷会長“涙の続投表明”の効果もなく神戸はまた勝てなかったのか?
三木谷会長は23日のミーティングで、こんな言葉も残していた。 「次の試合がある、ではなく、次の一戦にすべてを懸ける、という思いでやってほしい。みんな一生懸命やっているのはわかるので、こんなことを言うのは申し訳ないけど、一層の覚悟を持って挑んでほしい。ケガもあるし、忸怩たる思いもあるし、どうしようもないこともあると思いますが、それでも正直に言って1センチ、10センチ、一歩はその気迫の差だと思うので、覚悟と気迫を持って頑張りましょう」 頭では理解していても、過密日程下で酷使されてきた体がついていかない。例えばフル出場した武藤のスプリント回数は、驚異的な「43」を数えた。精根尽き果てかけていたからか。酒井が上げたクロスに対して突っ込んでいけなかった。 前節で神戸と入れ替わって17位に浮上した湘南は同時間帯に、敵地・等々力陸上競技場で3連覇を狙う川崎フロンターレに4-0で大勝した。順位こそ変わらないものの、最下位・神戸との勝ち点差は「3」から「5」へと広がった。 残留圏の15位・浦和レッズと神戸の勝ち点差は「6」。混戦ゆえに巻き返しは十分に可能だが、そのためにはリーグ最少の「10」にあえぐ総得点が最大の不安材料となる。 キャプテンとしてチームを勝利に導こうと、2試合続けて先発フル出場した38歳のイニエスタのコンディションも懸念される。次節は再び中3日で、北海道コンサドーレ札幌をホームに迎える。J2降格の恐怖とも戦いながら、神戸の正念場が続く。 (文責・藤江直人/スポーツライター)