むやみに「頑張って!」と言ってはいけない?【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!】第25回
■英語で「頑張れ!」「頑張って!」は何と言うのか? 五十嵐 サトさん、それは考えすぎ(笑)。普通の人はそんなこと考えずに、目の前で必死に頑張っている姿を見たら、素直な好意的な思いで「頑張って!」って声をかけているだけですよ。だから、「頑張って」って言われたら、「ありがとう」って返せばいいじゃないですか? 里崎 無理、僕には無理。さっきも言ったように、「あなたから見て、僕が頑張っていないように見えるんですか?」って言い返したくなっちゃう(笑)。でも、世の中の9割以上の人が、亮太のような考え方だよね。 五十嵐 でも、英語では「頑張って」に当たるような言葉ってないんじゃないのかな? 里崎 「ファイト!」が、そうなんじゃないの? 五十嵐 確かに「頑張れ!」のニュアンスもあるけど、僕がメジャーで体験した感覚だとちょっと違う気がする。文字通り、名詞の「戦い」という意味が強くて、「頑張れ!」よりは「戦え!」という感覚なんですよね。そうなると、サトさんのように「えっ、戦ってますけど?」という感覚になりますね。 里崎 一緒じゃん(笑)。だから、僕の場合は「頑張れ!」という言葉は使わずに「期待しています!」とか「応援しています!」という言葉を使うことが多いかな。 五十嵐 自分の経験で言っても、プロ野球の世界で「頑張れ!」って言うことはほとんどないですよね。ベンチから味方を応援するときに「頑張って!」って言わないもん(笑)。普通は「さぁ、いけ!」とか「レッツゴー!」とかですよね。そう考えたら、「頑張れ!」というのはどこか第三者的というか、他人事のような言い方なのかもしれない。 里崎 現役時代、ファンの人から「頑張れ!」って言われることも多かったけど、そこはやっぱり、ともにプレーするチームメイトとファンとの間では温度感の差があるのは当然のことかもしれないけどね。ただ、僕自身は「頑張れ!」とか「頑張って!」というのは、第三者に対しては使わないようにしているよ。 五十嵐 でも、現役時代にファンの人から「五十嵐さん、頑張って!」とか、「亮太、頑張れ!」って言われるのは素直に嬉しかったですけどね。声援を受けたら、「よし、任せとけ!」って気になって、実際に力になったことも多かったし。 里崎 だから、世間の9割以上はそれで通じるんだけど、僕としては何だか引っかかるし、僕と同じ感覚を持つ人も絶対にいるんじゃないかな。