【シンザン記念】アーモンドアイ、オルフェーヴルら三冠馬を輩出 出世レースの「記録」を振り返る
過去39年で勝ち馬は1番人気が14頭、2番人気が10頭
アーモンドアイはシンザン記念を1番人気で勝利。過去、当レースを制した馬は1番人気が14頭、2番人気が10頭と堅い決着が多い。ただし、アーモンドアイは単勝2.9倍と、後々の活躍を思えばそれほど人気を集めておらず、配当の低さでは10位タイとなる。 単勝配当が低い順でランキングにすると3位がミッキーアイルの1.6倍、1位タイがペールギュント、ナムラコクオーの1.5倍。牝馬のトップはシーキングザパールの2.0倍である。 ペールギュントは前年に朝日杯FSで1番人気3着となると、年明けすぐにシンザン記念に挑戦。ここで圧倒的な人気に応えたが、同年のクラシックにはディープインパクトというあまりにも分厚い壁がそびえ立っており、皐月賞、ダービーともに大敗した。 しかし、その間に出走したNHKマイルCではラインクラフト、デアリングハートの牝馬決着のなか4着と、掲示板に食い込んだ。その後、中距離でも勝利をあげたが、現役後半ではスプリント戦での才能を見出され、京阪杯で2着など存在感を見せた。 ナムラコクオーはシンザン記念の勝利後は弥生賞3着、NHK杯勝利と実力を見せる。古馬になってからはダート戦のプロキオンSを制覇し、高知に移籍。高知では32戦21勝と地方競馬を盛り上げ続け、2003年の黒船賞にはメンバー最年長の12歳で出走し、ノボジャック、ノボトゥルーらと激突した。長期間にわたって高知を支えた1頭と言える。 過去、単勝10倍を超える勝利は9度のみ、50倍を超える勝利は52.1倍で勝利した2001年ダービーレグノ一頭だけ。オルフェーヴルやダイワスカーレットが敗れた重賞といえども勝ち馬が伏兵というケースはそれほど多くない。 伏兵評価だったとはいえ、ダービーレグノも皐月賞では5着に食い込み、5歳シーズンに新潟記念を制するなど実力十分の馬だった。6歳シーズンには8月までに8戦するタフネスぶりを見せたが、札幌記念のレース中に発生した事故により予後不良となってしまった。今年の出走馬たちは引退まで無事に走り切れるよう、見守りながら応援したい。 ライタープロフィール 緒方きしん 競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。
緒方きしん