内田恭子「あなたのモヤモヤはどの種類?マインドフルネスのいいところは、無理に雑念をなくす必要はないこと」
◆ストレス要因になるものは このモヤモヤの起こる「ストレス要因」というのは、私たちの中で起きることもあれば、私たちの外側で起きることもあります。 まずは私たちの外で起きるモヤモヤの原因といえば、人間関係やお天気も要因の一つになるかもしれません。あとは環境の変化――引っ越しや転職、そういった時にモヤモヤは起きやすかったりします。 あとは自分の身には起きていないけれど、悲しいニュースや悲惨な事故、戦争などについて聞いたことも、モヤモヤの原因になり得ます。 そして、私たちの中から生まれてくるモヤモヤとしては、病気や体の不調、性格的なものからも、あるかもしれません。 そして、そのうちの一つ、モヤモヤを生み出す結構大きいものが「思考」なのです。人間は考える動物というぐらい、考えられるということはとっても素晴らしいことなのですが、時にしてそれが、私たちにストレスを与えるものにもなり得るんですね。 私たちの思考には、ネガティブバイアスというものがかかっています。わざと思考をネガティブな方向に考えやすくなっている、というものです。 それは、私たちを危険から守る脳の仕組みです。危険を察知したり、不安を感じたりというのは、私たちの身を守るためのネガティブバイアスなのです。でも、それを分からずに生活していると、このネガティブバイアスのスパイラルにどんどん巻き込まれて、延々と続いてしまうことがあります。
私たち人間は、1日6万個以上の思考が頭の中に生じると言われています。ですから、瞑想中に頭を空っぽにするとか、思考を消すというのはとても無理なことなのです。 レッスンでよくやるのですが、瞑想を始める前に、「思考が出てきたら手を挙げてみてください」と言うと、大体皆さん、2、3秒ですぐ手を挙げます。それぐらい当たり前のように私たちの頭の中には、「考える」ということが浮かんでくるんですよね。 マインドフルネス瞑想の良いところは、その思考を邪念扱いにはしないところ。もし、瞑想中に思考が浮かんできても、それに流されることなく、今、考え事をしていたなということに気づいて、また再び使っている体の感覚に戻ってくる、ということをやるのです。 瞑想というと、どうしても皆さん、頭を空っぽにしないといけないとか、思考が浮かんできてはダメだと思ってしまう人も多いと思います。 私のクラスでもよく、思考が浮かんできてしまうんですけど、どうすればいいですか、と聞かれるんですけど、それはとても当たり前なことなので、別にどうすることもないんです。 ただ、瞑想中だったら、使っている体の感覚に戻ってきてください、と答えます。
【関連記事】
- 内田恭子「私が髪をじょっきり切った理由。自分の中の当たり前を壊すことで色々な可能性が見えてくる。すべてにおいて、選択肢は自分にある」
- 内田恭子「夕日で輝く丸い展望台を見て体が熱くなり〈私は絶対あそこで働きたい!〉と思ったフジテレビ入社前。マインドフルネスとの出会いも同じで…」
- 内田恭子「よく聞かれる〈マインドフルネスでネガティブ思考がなくなりますか?〉という質問。残念ながら答えは〈いいえ〉。その理由は…」
- 内田恭子「自身と向き合う《マインドフルネス》を学んだことで、余裕を持って子どもと向き合えるようになった。そして、もう1つの変化は…」
- 大神いずみ「女子アナ時代、博多弁の〈ずんだれる〉を堂々と公共放送に乗せた私。〈言い間違え〉の類いを思い出して笑えるのって幸せだ」