【MLB】野手史上初の満票殿堂入りが期待されるイチロー 「8分の8」でスタート 「史上2人目の満票になるべき」
日本時間1月22日に結果が発表される2025年度アメリカ野球殿堂入り投票において、最も注目を集めているのがメジャー通算3089安打を放ったイチローの得票率だ。現役引退から5年を経過したイチローは、今回の殿堂入り投票から有資格者となり、「有資格1年目での殿堂入りは確実」という扱い。それどころか、マリアーノ・リベラに次いで史上2人目、野手では史上初となる満票での殿堂入りも期待されている。果たして史上2人目の満票選出は実現するのだろうか。 2024年シーズンの主要アワード受賞者まとめ 毎年「Baseball Hall of Fame Vote Tracker」というサイトでは、殿堂入り投票の権利を持つ各記者がメディアやSNSを通して公開した投票先を集計し、殿堂入り投票の途中経過として各選手の得票率を掲載している。そのサイトによると、日本時間12月2日までに匿名1人を含む8人の記者が自身の殿堂入り投票の内容を公表。当選ラインとなる投票率75%以上をマークしているのは、イチロー、CC・サバシア、ビリー・ワグナーの3人で、このうちイチローとサバシアは「8分の8」、つまり得票率100%をキープしている。 このサイトで事前に発表される得票率は、実際の得票率よりも高めに出る傾向があり、現時点で得票率が100%だからといって、実際にイチローやサバシアが満票で殿堂入りするとは限らない。しかも400人近い記者が参加する殿堂入り投票において、まだ8人分の投票内容しか明らかになっておらず、その数字をもとに議論するのは気が早すぎるかもしれない。とはいえ、野手史上初の満票が期待されるイチローが順調なスタートを切ったことは間違いない。 今回の殿堂入り投票から投票権を得たホルヘ・モレホン記者は「この日本人選手に関して、議論の余地はあまりない。史上屈指の好打者の1人であり、外野の守備も素晴らしく、フィールドの内外で非の打ち所がない振る舞いを続けてきた」と述べている。さらに「イチローは史上2人目の満票になるべきだ。正気の人であれば、この日本人選手に投票しないなんて考えられない」と付け加え、イチローの満票選出を後押しした。 フアン・ベネ記者は前々回の投票で白票を投じて物議を醸した人物であり、前回の投票でもエイドリアン・ベルトレイにしか投票しなかった。「上限の10人いっぱいまで投票する人が理解できない」と本当に殿堂入りに相応しいと思われる候補者だけを厳選して投票することにこだわりを持っている記者である。そのベネ記者は、今回はイチロー、サバシア、ワグナー、アンディ・ペティットの4人に投票したことを公表。イチローについては「日本のピート・ローズだ」と述べ、「投手以外で初めて、満票で殿堂入りする可能性がある。数字が示す彼の素晴らしさはさておき、他球団のファンも楽しませることができる稀有な選手の1人だった」と称賛した。 これまでに満票で殿堂入りしたのは、ヤンキースの守護神として圧倒的な実績を残したリベラだけ。デレック・ジーターは1票、ケン・グリフィーJr.も3票足りずに満票を逃した。これまでリベラを除いて誰も成し得なかった満票をイチローは達成するのか。イチローに投票しない理由を探すほうが難しく、史上2人目の快挙達成が大いに期待される。