仕事に手応えを感じない…立ち止まった「ここ」から変化は始まる <第二の職業人生>の考え方とは
◆「人がすることがなくなる時代」の到来 ケインズという有名な経済学者がいます。 彼は、論文でこんなことを書いています。 将来、技術の発展によって、人のほしい物はすべてつくられ、人の仕事がなくなる時代が来る。 しかし、社会システムによって、人間は長年仕事をするようにしつけられてきている。 そのため、凡人ほど「暇な時間をどう使うか」に困るようになる。 これが書かれたのは、なんと1930年。 「え! 現代じゃないの!?」と思いませんでしたか? ケインズがいうところの「人がすることがなくなる時代」がすでに到来しているように感じます。 さらに、ケインズは、この「人がすることがなくなる時代」を「2030年」としていました。 皆さんはどう思いますか? 2030年まで待たなくても、もうその予兆を感じませんか? たとえば、スマホの代表であるiPhoneが発売されたとき、世界中の人がどよめきました。 これまでの携帯電話と全然違う! 大きな革命でした。 その後、多くのメーカーがスマホ市場に参入して、毎年さまざまなスマホの新機種発表を繰り返しています。 もはや「どこを改良したの?」と思っている人も少なくないのではないでしょうか。 日本の白物家電もそうですね。 多くのモノやコトも、0を1にする時代は、ほぼ終わりが来ている。 こねくり回して、100を101にすることに労力が使われています。
◆「40歳の壁」にぶつかるもう1つの理由 こういった現象を見るたびに、ケインズ先生(敬意を表して先生)に問われている気分になります。 ・あなたは、その仕事にやりがいを感じているか?(入社当時はやりがいのある仕事だったとしても、今は惰性でやっていないか?) ・その仕事は、価値を生み出しているか?(社会的に意義のある仕事なのか? わが社の製品で世の中が良くなるのか? 子どもに誇りを持って説明できる仕事なのか?) ・未来の自分のためになる仕事なのか?(社内調整スキルは抜群だけど、専門職でもない。会社にいる分には問題ないけど……) ちなみに、ケインズ先生は、「最終的に人は週15時間労働になる」「1つの仕事をみんなで分け合う時代が来る」とも述べています。 現在、多くの人が「40歳の壁」を感じてる理由は、「人生100年時代」だけではありません。 もう1つの理由は、私たちの働き方に限界が来ているから、ともいえます。 あなたは、毎日時間を費やしている仕事に、やりがいや社会的意義を感じていますか? コロナ禍にリモートワークになって、「別に会社に行かなくていいじゃん」「意外とやること少ないじゃん」と気づいた人はいませんか? いるよね? いる。 なんとなくやってきたけど、実は手応えがないことにうっすら気づき始めている人、きっといるはずです。