定年退職金で投資をはじめるなら…メガバンク出身のコンサルタントが「銀行が勧める投資商品はダメ」と言い切る理由
資産形成に成功するコツは「副業で稼いだお金を、投資で増やす」
そういう立場から言わせてもらうと、投資そのものを副業とするのではなく、副業や節税によって稼いだお金を、投資によって着実に増やすというスタンスが資産形成に成功するコツです。 つまり、投資を「副業」のターボ・エンジンにして、資産形成を加速させていくのです。こういう考え方であれば、投資はぜひやった方がいいものです。というか、「老後資金を作っていくには投資が必須である」と私は考えて、自ら実践もしています。 もともと投資というものは、余裕資金でやるもので、なけなしのお金や生活資金、教育資金などを使って行うものではありません。 リスクのない投資にリターンは少なく、元本が保障されていてリスクがないのに、ものすごく利回りが高い投資商品があったとすれば、それは間違いなく詐欺でしょう。お金に余裕がなくなると、手っ取り早く増やしたいという欲に付け込まれて、大切なお金を逆に失ってしまうといった詐欺の餌食になりかねません。 投資を副業にするのではなく、副業で稼いだ余裕資金を元手にして、投資でそれを増やしていくという発想で投資に向き合いましょう。
「ほったらかし投資」はだれでもできる
では具体的にどうすればいいか。私のお勧めは、会社員としての本業や副業の活動の妨げにならない手間と時間配分でできる投資法です。 結論からいうと、「ほったらかし投資」。何もやらずにほったらかしておくと自動的に投資ができて資産が増えていく投資法のことで、要するに「積立投資」です。これは昔から言われている投資法で、多くの人がこの方法で資産形成をしている、だれにでもできる「再現性のある方法」なのです。 古くは、本多静六の「4分の1天引き貯蓄・投資法」が有名です。1866年生まれの東京帝国大学教授、日本初の林学博士、明治神宮や水戸・偕楽園などを造った「国立公園の生みの親」と呼ばれる人で、25歳で積立投資を始めて、40歳で株の配当収入が給料を超え、60歳定年退職時に、現在の時価で100億円の寄付をしたことで知られています。 これと基本的に同じ投資法を勧めているビジネス書は多く、たとえば、勝間和代著『お金は銀行に預けるな』(光文社新書)や水瀬ケンイチ著『お金は寝かせて増やしなさい』(フォレスト出版)はいずれもベストセラーとなり、この通りに積立投資を実践している人はかなりの資産を形成しているはずです。 水瀬ケンイチ氏と山崎元氏の共著『【全面改訂第3版】ほったらかし投資術』(朝日新書)にも同じ投資法が書いてあって、新しい本ならこれがお勧めです。 私はこれらの本を読んで、それぞれのいいところを組み合わせ、さらに、私なりの時代の潮流予測を加味して、投資法を確立して実践しています。 私の場合は、会社員時代には優先順位の第1位が「子ども2人の教育資金」だったので、残念ながら積立投資で資産形成ができませんでした。ただ、子どもが社会人になるタイミングで、独立起業していたので、そこから老後資金作りとして積立投資を実践してきたのです。