俺は一体どうすれば…〈メタボ体質〉50歳男性、「年金繰上げ受給」決めるも「繰下げ」にも後ろ髪…それぞれのメリット・デメリットは?【社労士の助言】
繰上げ受給のデメリットはいろいろ
繰上げ受給の場合、65歳まで待たずに年金を受給できること自体はメリットだといえるでしょう。しかし、その額は減らされるというデメリットがあります。また、その他にもデメリットがありますからいくつか挙げてみましょう。 一度繰上げ請求をすると取り消すことはできず、減額された年金を一生涯受け取ることになる。繰上げ受給は老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金(厚生年金)を同時に行う必要があるため、柔軟な老後の生活設計ができない。65歳以降であれば、たとえば、65歳から老齢厚生年金を受け取り、老齢基礎年金は繰下げ待機をして年金額を増やすということが可能。繰上げ受給をしたあとに障害状態になった場合でも、原則として障害年金を受け取れない。老齢厚生年金に加給年金が付く場合でも、加給年金は繰上がらない(65歳になってからの受給)。繰上げ請求すると国民年金に任意加入できず、また、保険料免除や納付猶予を受けた期間の追納もできなくなる。そして、気になるのは繰上げた場合の受給総額です。60歳から受給した場合の総額と65歳からの受給総額がほぼ同額となるのは80歳~81歳。ここまで長生きできないのであれば繰上げて受給したほうがよいということになりますが、寿命は誰にもわかりません。
繰下げ受給はメリットだらけ?
では、繰下げ受給にはデメリットはないのでしょうか? もちろん、そんなことはありません。繰下げ受給のデメリットをいくつか挙げてみましょう。 長生きできなければ、65歳から受給した場合の年金総額のほうが多くなる。年金を繰下げた場合、65歳から受給したときの総額とほぼ同じになる目安が11年~12年。繰下げ受給により年金額が増えると、税金や社会保険料も増えてしまう。思った以上に手取り額が少なくなる可能性も。一度繰下げ請求をすると取り消すことはできず、さらに増額を図ることはできない。老齢厚生年金の繰下げ待機期間中には加給年金も受給できない。老齢基礎年金を繰下げる場合、繰下げ待機期間中に振替加算は加算されない。加給年金と振替加算は繰下げても増額されない。