【プロ野球】大物が続々引退、消えゆく80-90年代野球
球界で例年になく大物の引退が相次いでいる。現役選手の安打数で上位3人を占めていた、中日の小笠原と和田、そして谷繁が選手として引退、さらに同6位の谷(オリックス)も今季でユニフォームを脱ぐことを決めた。 投手でも現役で唯一200勝を達成している山本昌(中日)、そして勝利数2位の西口(西武)が引退を発表している。ほかにも日米通算で100勝100セーブを達成している楽天の斎藤、通算480試合登板の小山(楽天)、2006年の日本ハム日本一に貢献した森本(西武)、最優秀防御率のタイトルも獲得した高橋(DeNA)、プロ通算65勝の朝倉(中日)がこれまでに引退を決めている。 ここまでで紹介した11人の選手はすべて1980~90年代のドラフトで指名され入団した選手たちだ。80年代、90年代にプロ入りした選手は今シーズン開幕前の時点で50人いた(表1)。それがここまでの段階で11人の引退が決定し、オフの間にはさらに引退する選手や、戦力外となりNPBから去る選手も現れるだろう。1999年以前に入団した選手が姿を消す日はそう遠くない未来に訪れることになりそうだ。そこでここからは過去のものとなりつつある1980~90年代の野球を経験している選手たちを紹介していきたいと思う。
今シーズン引退する選手たちの中で最も過去の野球を知る選手はなんといっても山本昌だ。山本昌は1983年のドラフトで中日に5位指名され入団した。同じドラフトで1位指名を受けた選手には西武黄金時代の主力である渡辺久信、辻発彦をはじめ、星野伸之(阪急)吉井理人(近鉄)佐々木誠(南海)水野雄仁、香田勲男(巨人)小早川毅彦(広島)中西清起、仲田幸司(阪神)藤王康晴、仁村徹(中日)と80~90年代を代表する選手がずらりと並んでいる。 山本昌は後楽園球場での公式戦を経験した最後の現役投手でもある。1987年4月10日の巨人戦ではリリーフで登板し駒田徳広に四球、山倉和博にタイムリーを許し、西本聖から三振を奪ったところで降板。続く11日の試合では打者3人(吉村禎章、中畑清、駒田)と対戦して無失点で降板している。この翌年には東京ドームが完成し後楽園球場は閉鎖されたので、この年以降にプロ入りした選手は昭和のプロ野球を代表する球場でプレーすることはなかった。