スーパーファミコン版「スーパードンキーコング」が30周年! ドンキー&ディディーコングが大活躍! スーファミを代表する傑作アクションの軌跡を振り返る
1994年11月26日に任天堂が発売したスーパーファミコン用ソフト「スーパードンキーコング」が、本日2024年11月26日で30周年を迎えた。 【画像】※スクリーンショットはスーパーファミコンで撮影 本作は、主人公のドンキーコングとディディーコングを操作して、敵を倒したり障害物を避けたりしながら各ステージを進み、ゴール地点に到達すればクリアとなるアクションゲームで、2人協力プレイも可能。全部で6つのレベルがあり、各レベルの最終ステージにはボスキャラクターが出現し、レベル6をクリア後に対決するラスボスのキングクルールを倒すとエンディングを迎える。 以下、スーパーファミコンを代表するタイトルと言っても過言ではないであろう、本作の魅力や特徴などを、発売日に購入してエンディング到達までプレイした筆者なりに振り返ってみた。 ■ 美し過ぎるCGと、ドンキーコングたちの多彩なアクションに驚愕 筆者が本作の存在を最初に知ったのはテレビCMで、グラフィックスのあまりのカッコよさに、ひと目見ただけで衝撃を受けた。「スゴイ!」のナレーションは誇大広告でも何でもなく、毛皮や皮膚がリアルに描かれたドンキーコングや敵キャラが滑らかに動く、美しいアニメーションには度肝を抜かれた。 当時は、いわゆる「次世代機」のセガサターンが発売された直後で、プレイステーションの発売も目前に控えたタイミングだったので、ゲーム以外のメディアでも次世代機の情報が盛んに報じられていた。そんなムーブメントの真っただ中に登場した本作のビジュアルは、リアルな3DCGを最大のセールスポイントとしていた次世代機にも(筆者の目には)見劣りしないクオリティを誇っていた。 ドンキーとディディーコングのコンビによる、多彩なアクションにも大いに目を引かれた。ドンキーコングは、敵を倒したり地面に埋まった物を取り出したりできるハンドスラップを使えるのが特徴で、ディディーコングはドンキーコングよりも移動スピードが速く、ジャンプ力が高い長所を持つ。2体ともそろっている場合は、どちらか一方を操作する仕組みで、任意のタイミングで操作するキャラクターを変更できるので、状況に応じてどちらを選ぶのかを考えつつ、攻略パターンを作っていくのがとても面白かった。 本作も「スーパーマリオブラザーズ」シリーズと同様に、足で踏むことで敵を倒せるが、前述のハンドスラップのほか、タルを投げて当てたり、ローリングアタックを繰り出したりすることでも敵を倒せる。ローリングアタックは、文字どおり体を回転しながら前方に進むアクションで、空中に飛び出してもすぐには落下しない特徴がある。これを利用すれば、より遠くの位置までジャンプできる(ローリングジャンプ)のも斬新だった。 さまざまな種類のタルが随所に登場するのも、本作ならではの大きな特徴だ。地面に置かれたタルや、投げると爆発するTNTバレルは、敵を倒す武器としてだけでなく、壁にぶつけるなどの方法で、ボーナスステージにつながる隠し通路を発見する際にも使用できる。 本作の「名物」であるギミックの一種、タル大砲は、ドンキーコングたちが中に入った直後、決まったタイミングで決まった向きに飛び出す自動式と、プレイヤーがボタンを押したタイミングで飛び出す手動式の2タイプがある。それぞれ飛び出すタイミングを間違えると、谷底に落下して即ミスとなるスリル感も、本作ならではの面白さだ。 特定のステージで出現する木箱を破壊すると、サイのランビ、ダチョウのエクスプレッソ、カジキのエンガードなどのアニマルフレンドが出現する。 ドンキーコングたちがアニマルフレンドの背中に乗ると、ダッシュやハイジャンプなどの特殊なアクションを繰り出し、敵を蹴散らしたり空高く飛べたりする楽しさは、従来の「スーパーマリオブラザーズ」シリーズとはまた違った新鮮な体験だった(※「スーパーマリオワールド」で、マリオがヨッシーに乗って行動する仕様はすでにあったが)。 また、同じ種類のトークン(アイテム)を3個集めると、アニマルフレンドと共にチャレンジするボーナスステージに進むことができる。ボーナスステージではミスになる心配がなく、大量のアイテムを取りまくれるのも実に快感だった。 ■ ボーナスステージ探しに悶絶……達成率「101パーセント」の謎 本作は、歴代の「スーパーマリオブラザーズ」シリーズに比べると、最初のステージから総じて難易度は高い印象を受けたが、筆者はソフトを買ったその日からすっかり魅了されてしまった。敵の倒し方や、タル大砲などの攻略パターン作りはもちろん、各ステージに隠されたアイテム類や、ボーナスステージを発見するのも楽しくてしかたがなかった。 ボーナスステージへの進み方は、前述したタルを壁に当てる方法だけでなく、ステージによってはアニマルフレンドで体当たりしたり、わざと谷底に落ちたりするなど多岐にわたり、なおかつ巧妙に隠されている。たとえ偶然であっても、新たなボーナスステージを発見したときもすこぶる快感で、全ボーナスステージ制覇を目指して夢中になって遊んだ。 1~6までの各レベルには「元祖ドンキーコング」こと、クランキーコングが住む「クランキーの小屋」が登場する。小屋に移動すると、クランキーコングが昔の思い出などの与太話を交えつつ、ボーナスステージを発見するためのヒントをくれるので、当時何度もお世話になったものだ。 やがて筆者は全レベルを制覇し、ラスボスのキングクルールも倒してエンディングを迎えてめでたし、めでたし……と、思いきや、当時本作の情報交換をしていた友人から衝撃の情報が入った。本作は、セーブデータを表示する画面に総プレイ時間と達成率が表示されるが、達成率は100パーセントではなく、何と101パーセントまでアップするというのだ。 達成率は、各ステージをクリアするだけでなく、ボーナスステージを発見(したうえで、そこまで進む)することでも増えるのは、何となくだが気付いていた。だが、パーセンテージで表示する以上、100パーセントになれば全制覇だとてっきり思っていたので、101パーセントの存在をにわかには信じられなかった。後日、ゲーム雑誌だったか攻略本だったか、本当に101パーセントまでカウントされる事実を知ったときも大いにビックリさせられた。 ちなみに本作には、各ステージでゴール地点まで到達し、かつボーナスステージをすべて発見すると、全体マップ画面でステージの表記部分に「!」マークが付き、同じレベル内の全ステージをボーナスステージ込みでクリアすると、レベル名の表記にも「!」マークが付く親切機能が搭載されている。ところがマヌケなことに、当時の筆者は本機能にまったく気付かず、自身の記憶とメモを頼りに、101パーセントを目指して悪戦苦闘を繰り返したのは、今となっては良い思い出だ(ちゃんとマニュアルに書いてあったのに……)。 本作はNintendo Switch Onlineで配信中で、2017年に発売された復刻ゲーム機「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」にも収録されているので、今でも手軽に遊べる。腕に自信のある人は、101パーセントクリアにぜひチャレンジしてみよう。繰り返しになるが、ボーナスステージの隠し方の巧妙さには舌を巻くことウケアイだ。 また、「ドンキーコング」シリーズとしては、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のエリア「スーパー・ニンテンドー・ワールド」内に「ドンキーコング・カントリー」が12月11日にオープンするほか、Wii/ニンテンドー3DSで発売された「ドンキーコング リターンズ」がHDになった「ドンキーコング リターンズ HD」がNintendo Switchで2025年1月16日に発売される。今後の「ドンキーコング」シリーズにも期待したい。 (C)1994 Nintendo
GAME Watch,鴫原盛之