「ふるさと納税」でポイント付与禁止「楽天」「ふるなび」の闘い
今回のテーマは、「ふるさと納税“頂上決戦”!」。 2008年に「税収格差の是正」と「地方創生」を掲げて始まったふるさと納税。その寄付金額は昨年度1兆円を突破し、利用者数も1000万人を超えた。 一方、自治体の返礼品競争は激化し、まさに百花繚乱の様相。今やふるさと納税は“巨大な通販サイト”と化している。 ふるさと納税の現場で何が起きているのか? 国と闘いながら生き残りを賭ける自治体や税収の流出に悩む東京の自治体など、奮闘する人々の姿を追った。 【動画】「ふるさと納税」でポイント付与禁止「楽天」「ふるなび」の闘い
新たな仕掛けで地元に活力を!“除外”自治体 泉佐野市の秘策
ふるさと納税とは、自分が住む場所以外の自治体に寄付をすると、住民税などが控除される制度。寄付額に応じて返礼品を受け取れる。さらに今は、もう1つ大きな特典が。 例えば、ポータルサイト「楽天ふるさと納税」から寄付すると、寄付額100円につき1ポイント以上の「楽天ポイント」を受け取れるのだ。返礼品に加え、ポイントまで…しかしそんなお得な年末は、今年が最後だ。 総務省は「(2025年10月から)ポイントなどを付与するポータルサイトを通じた寄付募集を禁止する」と発表。ふるさとを応援するという本来の主旨から外れ、利用者獲得のための“ポイント競争”が加熱していることを問題視したのだ。今、ふるさと納税の現場は分岐点を迎えている。
大阪・泉佐野市。地元で人気の「焼肉バイキング左近」で客の多くが注文する「泉州元気ハラミ」は、厚切りのハラミを秘伝のタレで漬け込んだ店の看板メニュー。実はこの「泉州元気ハラミ」は、泉佐野市の返礼品でトップの人気を誇る。 他にも、日本唯一のワタリガニ専門店のかに飯や、合計1.45キログラムの「牛たん 暴れ盛り」、全国シェア約4割を誇る泉州タオルなど、人気の返礼品に注文が殺到。昨年度の寄付金額は175億円を突破し、1788の自治体の中で全国3位に輝いている。 数々のユニークな作戦で人気の街へと押し上げた立役者が、泉佐野市役所 成長戦略室長の阪上博則さんだ。