ベーシックな3.0Lユニットが最良の選択? ポルシェ911 カレラへ試乗 新ターボ&インタークーラー獲得
新しいターボとインタークーラー獲得のカレラ
モデル中期のアップデートを受けた、992型のポルシェ911。最大のニュースといえるのが、カレラGTSで、T-ハイブリッドという名の電動化技術を得たことだろう。マイルド・ハイブリッドとしては複雑な構成で、541psの最高出力がうたわれる。 【写真】新ターボ&インタークーラー獲得 ポルシェ911 カレラ 競合のスポーツカー GTSも (137枚) 一方で、エントリー仕様の素のカレラも、ちゃんと改良を受けている。3.0L水平対向ツインターボの最高出力は、9ps増しの394ps。オプションのスポーツクロノ・パッケージを組めば、0-100km/h加速を4.0秒でこなす。 また、この3.0Lエンジンは、911 ターボが搭載していたインタークーラーを獲得。ターボチャージャー自体は、911 GTSのアイテムへ置き換えられた。最大トルクは不変だが、まったく不足ない。 トランスミッションは、PDKと呼ばれる8速デュアルクラッチ・オートマティック。もしマニュアルがご希望なら、より走り重視のカレラTを指定する必要がある。 シャシーは、ブレーキに改良を受けている。フロントのキャリパーは、4ポッドから6ポッドへ変更。ディスクの直径は、前後とも20mmも大きくなった。PASMと呼ばれるアダプティブダンパーが組まれ、リアディファレンシャルはオープン・タイプになる。
見た目の違いはバンパー アナログメーター消滅
後日、911 カレラGTSにも試乗予定だが、今回はベーシックなカレラ。英国価格は、1番お手頃だ。といっても、多くの人には高価なはず。一切オプションを付けない状態で、辛うじて10万ポンド(約1946万円)を切るにすぎない。 一般的に、911にオプションはつきもの。今回の試乗車は、シートやステアリングホイール、オーディオがアップグレードされ、レザー内装が装備されていた。アルミホイールもオプション品で、総額12万4058ポンド(約2419万円)とのこと。 アップデート前後を見分ける1番のポイントは、フロントバンパー。ウインカーとデイライトは、エアインテーク側から、ヘッドライト側へ移動している。 これにより、エアインテークの面積が拡大。より沢山の空気を取り込める。インテーク部分のフィンは、カレラでは水平に2本。ハイブリッドのGTSでは、縦に何本も並ぶという違いがある。真一文字のテールライトは、従来から僅かに太くもなった。 車内側は、余りポジティブな変化とはいえないかも。従来までの、実際に押せる沢山のハードスイッチや、アナログのタコメーターは姿を消した。ボタンを押すだけで、エンジンは始動。メーターパネルは全面モニター式になり、特別感は薄れたように思う。 それでも、両脇の峰に挟まれた低いボンネットを眺める、理想的なドライビングポジションは従来通り。インテリアの品質や、デジタル技術の洗練度も高い。魅力的なキャビンだと思う。