職場がテレワークになり「月3000円」の手当てが。でも妻から「電気代すごい上がってるよ」と言われた! これって家計的にはマイナスなんでしょうか?
コロナ禍以降、働き方の一つとして定着したといえる「テレワーク」。通勤の必要がなくなるなどのメリットがある反面、在宅勤務により発生する電気代や通信費は昨今の光熱費高騰などとも重なり1つの課題となっています。そんな中、解決策として「テレワーク手当」を支給する企業もあるようです。 しかし、一方で手当の金額の妥当性に疑問が出ていることも事実です。本記事では、実際にテレワークをするうえでかかる費用と、テレワーク手当の実態について解説します。 ▼エアコンを「10時間」つけっぱなしだと、電気代はいくらかかる? 電気代を抑える方法も紹介
テレワークによる電気代高騰と企業が支給する手当の実態
テレワーク・リモートワークの情報サイト「テレリモ総研」を運営する株式会社LASSICが2024年に実施した調査によると、テレワークのデメリットに光熱費などの自己負担が増加してしまったと回答した人の割合は約26.3%と、デメリット割合のトップ3の多さです。多くの人がテレワークによる家計負担の増加を感じています。 原因としては、日中部屋の電気をつけっぱなしにする、パソコンの充電を一日中し続けながら業務を行う、季節によっては冷暖房を長時間使うことなどが影響していると考えられます。 図表1
株式会社LASSIC テレリモ総研 【2024年度版】テレワークのメリット・デメリットとは? それに対して図表2の通り、テレワーク手当を実施している企業は全体の約20%に留まっているのが現状です。在宅で仕事をできるようになったのは良いものの、家計への負担が増している人が多くいるということがこの結果からも分かります。 図表2
労務SEARCH 【2024年】テレワーク実施企業の現状調査|従業員の声から見えた課題とは
月3000円の手当ではフルリモートの場合赤字になる
本ケースのように月3000円のテレワーク手当が支給された場合、家計の負担増に対して十分にカバーできているか確認してみます。電気代は、テレワーク時にかかる内訳をパソコン、照明、エアコンの3つに区分しその合計金額で見ていきます。 なお、電気代は 消費電力(W)÷1000 × 使用時間(h)× 電気料金単価 (円/kWh)で計算します。 また、在宅勤務は1日8時間、ノートパソコン(45W)と照明(60W)、エアコン(1000W)を使用すると仮定し、電気料金単価は31円/kWhで計算しています。 ※家電ごとの1日あたりの電気代 ・ノートパソコン=45W ÷ 1000 × 8時間 × 31円/kWh =約 11円 ・照明 =60W ÷ 1000 × 8時間 × 31円/kWh = 15円 ・エアコン =1000W ÷ 1000 ×8時間× 31円/kWh = 248円 図表3