「知らず知らずに長野市目線」阿部守一知事、県庁から130キロ離れた南信州で執務
長野県の阿部守一知事は27日、長野県飯田市の県飯田合同庁舎で、長野市の県庁会見場とウェブでつないだ2カ所同時開催の記者会見を初めて開き「知らず知らず長野市目線になっていたのではないか」と自戒を込めた感想を述べた。 県の北部に位置する長野市と、南部に位置する飯田市の直線距離は約130キロ。高速道路を使って休まず移動しても往復約5時間かかる。南信州の人にとって県庁が「遠い存在」になっているとの指摘もあった。 デジタル化が進み、知事自身が県庁にいなくても業務が支障なく行われることを実証するため、23日から27日まで「知事南信州執務週間」として県飯田合同庁舎を拠点に知事業務を行った。この間、予算査定など庁内打ち合わせをオンラインで実施したほか、飯田市のリニア中央新幹線関連道路の視察や地域づくりキーパーソンとの懇談会など、現場に足を運ぶ業務も数多く行った。 阿部知事は「それぞれの地域のことを常に考えながら仕事をしているが、知らず知らず長野市目線でものごとを考えるようになっていたのではないかと気づかされる部分もあった」と感想。地域に拠点を置いて仕事をすることが地域の課題の共有になるとして「リニア整備推進局については南信州地域に移すことも含めて検討したい」と述べた。