【新日本】棚橋弘至が海野翔太に〝猪木イズム〟を注入「逆風もブーイングも越えてこい」
新日本プロレスの棚橋弘至(48)が、来年1月4日東京ドーム大会でIWGP世界ヘビー級王者ザック・セイバーJr.(37)に挑戦する海野翔太(27)に〝猪木イズム〟を注入だ。大一番を前に観客からのブーイングという試練に直面した未来のエースに、棚橋が送るエールとは――。 邪道とのコンビで「ワールドタッグリーグ」に参戦中の棚橋は28日茨城大会でタイチ、TAKAみちのく組から初勝利。試合後は来年1・4ドームでシングル戦が決定しているEVILに襲撃され、両者の遺恨がさらに深まった。 2026年1月4日東京ドーム大会での引退を控えている棚橋にとって、来年は現役ラストイヤー。「派手に行きたいんですよ。すべてのタイトルに絡みたいし、すべての選手とシングルやりたいし。EVIL成敗からスタートして、IWGP世界ヘビーに届くつもりですから」と目を輝かせる。 そんな目標とするIWGP世界王座を巡っては、1・4ドームのメインに抜擢された挑戦者・海野に逆風が吹いている。実績不足などを理由に挑戦表明時の会場からはブーイングが巻き起こり、賛否両論の状態だ。 かつては自身もブーイングを浴びた経験を持つ棚橋は「やっぱり新日本プロレスのファンって温かい半面、厳しいところがあって。盛り上げてほしい、ずっと続いていってほしいという思いがあるなかで、この選手に託していいのか試しにくるんですね」と証言。「僕も2005年くらいからあったんですけど、06年に王者になって激しくなって5年くらいかな…。僕はメンタル鉄なので『なんで俺の良さが分からないんだろう』『俺しかいないよな』ってずっと思ってましたから」と振り返る。 思い起こせば、内藤哲也もオカダ・カズチカもブーイングを浴びた時期がある。棚橋は「これをどれくらいで歓声に変えれるのか見ものだし、(団体を)引っ張っていくラインには乗ってるんですよ。通過儀礼を越えられるのか、ドームがスタートだと思います」と海野に期待。棚橋は信念を貫き、内藤はロス・インゴベルナブレスとの出会いを転機にし、オカダは鮮烈なレインメーカーショックを巻き起こし、それぞれがそれぞれのやり方で風向きを変え一時代を築いてきた。「これね、越え方だけは教えられないですよ。もちろん期待は全員にしてるんですけど、海野にも期待しかしてないから全部越えてこいって。『見つけろ、テメエで』ですね」と、2002年の〝猪木問答〟でアントニオ猪木さんが鈴木健想(現KENSO)に放った言葉を引用しエールとした。 新日本の暗黒時代を救った大エースのラストイヤーに、新時代のエースは生まれるのか。来年の1・4ドームは団体の未来を占う大一番となりそうだ。
岡本佑介