九州北部で線状降水帯発生の可能性も 台風11号接近で
東シナ海を北上中の台風11号は、5日夕方から6日朝にかけて現在の勢力を維持したまま、九州北部地方にかなり接近する見通しとなっている。気象庁は、「九州北部地方で5日夜から6日午前中にかけて線状降水帯が発生して、大雨災害の危険度が急激に高まるおそれがある」として、特に警戒を呼びかけている。 大型で強い台風11号は5日正午ごろ、東シナ海を時速約20キロの速さで北北東に進んだ。中心気圧は950ヘクトパスカル、中心付近の最大風速40メートル(最大瞬間風速60メートル)。台風11号は今後、勢力を「強い」から「非常に強い」に強めて九州北部地方にかなり接近する見込みだという。その後、台風11号は偏西風に乗って速度を上げながら日本海を進み、7日朝までに温帯低気圧に変わるとみられる。 気象庁予報課の岸本賢司主任予報官は、次々と発生する積乱雲が帯状に並び、同じ場所を通過、停滞することでできる線状降水帯について「台風に近い九州北部地方で発生する可能性があると予想している」と説明。さらに「西日本の太平洋側は雨が降りやすい状態になると考えている」として、九州北部以外でも線状降水帯「予測」情報を発表する可能性があるとの認識を示した。 また、岸本主任予報官は暴風について、「特に台風の目の周囲に猛烈な風が吹いているエリアがあり、こういったエリアに対馬が入る可能性がある。今風が吹いていなくても、今後、こうしたエリアに入ると、電柱が損壊したり、家屋の一部が広範囲に飛散したりして危険な状況になる」と話し、風や雨が強まる前に備えを完了させておくよう呼びかけた。 また、このほかの九州北部地方でも、台風の接近に伴って、6日朝の通勤時間帯に交通への影響が出る可能性があるとしている。