2000万円超の新型ロータス エレトレRは、“秘伝の味”が確実に引き継がれていた(日本初試乗記)
日本に上陸したロータスの新型「エレトレR」にサトータケシがテストドライブ。異次元の最新SUVは、ブランドの特徴を継承する魅力的なSUVだった! 【写真を見る】新型エレトレRの革新的なインテリア(24枚)テスラとは違うデザインに注目!
あのロータスがここまでやるのか!
都心の高層ビルの地下駐車場で初対面したロータス・エレトレRは、このシチュエーションにふさわしい存在感を放っていた。空気を切り裂いて、そのまま成層圏から飛び出してしまいそうなシェイプのフロントマスクを目の当たりにして、「スペースシップ」という単語が、脳裏に浮かぶ。サイズもなかなかのもので、尖ったデザインだから引き締まって見えるけれど、全長は5.0mを軽く超える。 「キーをお渡ししたいのですが、“エアドロ”でいいですか?」と、ロータスの担当者に言われた。エアドロ──、つまりiPhoneのAirDropでキーを受け取る。エレトレのキーはiPhoneのウォレットに収まり、これでキーの施錠と解錠やトランクの開閉を行う。もっともオーナーの場合は、専用のアプリをダウンロードすることで、空調の操作や充電の管理などを遠隔で行えるという。 ま、専用アプリによる操作は最近のBEVでは珍しいことではないけれど、ダイレクトな操縦性が魅力のネイキッドなスポーツカーで支持されてきたロータスがここまでやるのが興味深い。 iPhoneを携えて運転席に座ると、何も操作しなくてもセンターコンソールの15.1インチの大型タッチスクリーンが起動して、そこには人影や周囲のクルマの存在が示され、注意を促す。 インテリアはシンプルな造形でありながら、クオリティが高い。ということは素材がいいということで、アルミをむき出しにしていたエリーゼの頃からは隔世の感がある。 走り出す前から、ロータスが大きく未来へと舵を切ったことがびんびん伝わってくる。 2017年に中国のジーリー傘下となったロータスは、電動車両の高級ブランドへ生まれ変わろうとしている。ブランドの象徴として発表した電動スーパーカーの「エヴァイヤ」を別にすると、この電動ハイパーSUVのエレトレが第一弾、そして第二弾の電動ハイパーGTの「エメヤ」も日本でお披露目された。 ロータスはどこへ向かうのか? 正直、期待が半分、俺たちのロータスがどっかへ行ってしまのではないかという不安が半分で、わくわくドキドキしながら試乗を開始する。