防災の専門家が教える「非常用持ち出し袋」と「日常備蓄」の備え方。コロナ禍の今だからこそ用意すべきものは
――高齢者の方が非常用持ち出し袋に入れておくべきものは何でしょうか。 国崎さん: 特に持病がある方は、病院から処方されているお薬ですね。薬を持ち出すことができなかった場合に備えて、処方されている薬の内容がわかるものをあらかじめ用意しておくとよいでしょう。お薬手帳のコピーを入れておいてもいいですし、スマホのお薬手帳アプリを活用してもいいかもしれません。 そして、忘れられがちなのが義歯ケース。避難所でずっと入れ歯をつけっぱなしにしたせいで、口の中の環境が悪化し、それがもとで病気になってしまったというケースがありました。普段使っているケースとは別のスペアのもので構いませんので、入れておきたいですね。 あとは、老眼鏡です。避難所でさまざまな情報が掲示されていたのに、老眼鏡がなくて確認できなかったということもありました。こちらもスペアを用意して、非常持ち出し袋に入れておくとよいでしょう。
コロナ禍での避難所生活を想定した感染防止対策グッズも
――コロナ禍で避難所生活を余儀なくされた場合を想定して、非常用持ち出し袋に入れておくべきものを教えてください。 国崎さん: マスクは、飛沫が飛散しにくいと言われている不織布のものを多めに用意しておいてください。濡れないようにジッパー付の袋に入れておくことをおすすめします。フェイスシールドも入れておくと安心ですね。 除菌スプレーや抗菌スプレーも必携です。物資の受け渡しや仮設トイレを利用する際に使える使い捨てのポリ手袋も入れておきたいですね。ウイルスは床にも落ちていると考えて、フローリング掃除用のウエットシートや、洗えるスリッパも入れておきましょう。 手洗いの時に使用する石鹸は1人1つ用意したほうが衛生的です。手を拭くときにおすすめなのが抗菌タオル。なかなか洗濯ができない断水状態のときでも、繰り返し使えるのがポイントです。 そして、体調不良を見逃さないためにも、体温計でまめに体温を測ることも忘れないようにしたいですね。