超加工食品が脳に与える悪影響 「脳卒中」「記憶力低下」リスク増加、ハーバード発表
超加工食品が脳に与える悪影響 「脳卒中」「記憶力低下」リスク増加、ハーバード発表
米・ハーバード大学らの研究グループは、「清涼飲料水、ポテトチップス、クッキーなどの超加工食品を多く食べる人は、あまり食べない人と比べて記憶力や思考力の問題や脳卒中のリスクが高い可能性がある」と発表しました。この内容について中路医師に伺いました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
研究グループが発表した内容とは?
編集部: アメリカのハーバード大学らの研究グループが発表した内容について教えてください。 中路先生: 今回紹介する研究はアメリカのハーバード大学の研究グループが実施したもので、研究結果は学術誌「Neurology」に掲載されています。 研究グループは、45歳以上の成人3万239人を平均11年間追跡しました。参加者のうち、認知機能低下については1万4175人、脳卒中については2万243人を調べ、両群とも認知機能障害や脳卒中の既往歴はありませんでした。 研究終了時までに、768人が認知機能障害、1108人が脳卒中と診断されました。 研究の結果、超加工食品を食べる量が10%増えると、認知機能障害のリスクが16%高くなることがわかりました。未加工または最小限の加工食品を多く食べることは、認知機能障害のリスクを12%低下させることも判明したとのことです。 また、研究グループは、超加工食品の摂取量が多い人は脳卒中のリスクが8%増加する一方、未加工または最小限の加工食品の摂取量が多い人は脳卒中のリスクが9%減少することも明らかにしています。 研究グループは、今回得られた結果について「食品加工は既知の危険因子や推奨される食事パターンの遵守とは無関係に、高齢者の脳の健康に重要である可能性がある」とコメントしています。
超加工食品とは?
編集部: 今回の研究テーマになった超加工食品について教えてください。 中路先生: 超加工食品は砂糖、脂肪、塩分を多く含み、タンパク質や食物繊維が少ない食べ物です。 具体的には、清涼飲料水、塩分や糖分の多いスナック菓子、アイスクリーム、ハンバーガー、ベイクドビーンズの缶詰、ケチャップ、マヨネーズ、包装されたパン、味付けされたシリアルなどが挙げられます。 その一方で、超加工食品の対極にある未加工または加工度の低い食品には、牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類、野菜、果物などが挙げられています。