灼熱のインドで2000キロをドリブルで走破 大分U-18出身者が挑む破天荒な計画【インタビュー】
6月にはビハール州の村の子どもを日本に招待する計画も立てている
「どうすればインパクトを与えられるか考える中で、外国人が2000キロをドリブルしながら、経由地の村々でサッカー伝道師のような活動をすれば話題になるのでは、と考えました」。インド国内で“謎の日本人”がドリブルをしながら、村々でサッカーのワークショップを展開する――。前例のないこの取り組みは、インドのメディアの注目も集められるのではないかと考えたのだ。 2000キロのドリブル走破後は「ビハールの村の子どもたちを日本に招きたい」と計画している。「単にサッカーが上手くなり、エリートを育成することが目的ではありません。精神的にも、経済的にも自立した大人、女性になってほしい」。子どもたちが将来、インドの社会問題を解決する担い手となることを願い、日本の教育機関での交流や、環境問題解決の糸口を探るためのリサイクルセンターの視察、広島平和記念公園の訪問など、多角的な学びの機会を提供しようとしている。 「スポーツは外交になると考えています。日本人がインドに対して何ができるのか、それも1つの問いです」。インド全体の子どもたちを取り巻く環境を変えるには、当然、インド政府や行政などの力も必要となる。この活動を、日本とインドの両国を巻き込む足がかりにしたいという思いもある。 萩原さんの活動には、かつて大分に在籍していた西川周作(浦和レッズ)、清武弘嗣(来季大分に復帰)、為田大貴(来季磐田へ移籍)、今季限りで引退した梅崎司さんら多くの選手がアンバサダーとして参画している。また、女子サッカーからも元なでしこジャパンの岩渕真奈さんらが賛同し、複数の企業が支援を表明しているという。 日本のサッカー界で育った青年が、インドでサッカーを通じて社会問題解決に挑む。インタビュー第2弾では、2025年に壮大なチャレンジに出る萩原さんのルーツを探る。
福谷佑介 / Yusuke Fukutani