3日前に出場決定の近江、応援も間に合った 息の合った演奏披露
20日に第2日を迎えた第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社など主催)。兵庫県西宮市の阪神甲子園球場の三塁側アルプススタンドで、3日前に出場が決まったばかりの近江(滋賀)の生徒らが躍動した。短期間での組織ながら息の合った応援でチームを鼓舞し、延長タイブレークの末の勝利を後押しした。 新型コロナウイルス集団感染による京都国際の辞退で、近畿地区の補欠1位として繰り上げ出場が決まったのが17日夜。在校生に応援を募ったのは翌18日の終業式だった。他に予定のある部活も多かったが、控えの野球部員の他に、吹奏楽部、ダンス部、保護者らで約450人が集結。他校より少数ながら、急造とは思えない応援を繰り広げた。 「機会をいただいたからには全力で応援したい」。甲子園用の演奏は昨夏以来ほとんどしていない吹奏楽部の部長、福永千秋さん(17)は決意した。雨で開幕が1日順延されたことで吹奏楽部と控え部員の合同練習ができた。応援団長の竹内草太さん(17)は試合前、「ちょっと不安だったが、準備は万全。与えられたチャンスなので京都国際の分まで応援したい」と意気込んだ。1年生は別の大会のため2年生6人で臨んだダンス部の部長、中西花穂さん(17)は「春用のユニホームがなく、長袖のインナーなどを急きょ用意した」と打ち明けつつ、演奏に合わせてスタンドを盛り上げた。 チームは計3失策と苦しい展開ながら終盤の粘りで逆転勝ち。岩谷斉校長(64)は「こんな状況下で本当にいい試合をしてくれた」と喜んだ。【菅健吾、中田博維】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。