「グランパス育ちと地元出身」森島司、グランパス愛の根底にある2つの自負、地元を盛り上げたいからこそ…2025年の活躍誓った
流れる赤黄の血が15年ぶり優勝、そして初の複数タイトルを渇望している。MF森島司(27)は昨季、ルヴァン杯は準々決勝以降の5試合全てに先発し、優勝に貢献。一方で、出場停止1試合を除く全試合に出場したリーグ戦は11位。連覇と雪辱の思いを胸に、活躍を誓った。 歓喜を味わった、あの空間が忘れられない。森島はルヴァン杯決勝の後半終了後に交代。延長戦、PK戦はベンチから見守った。「見ていて、普通に試合が面白かった。PKも結構笑いながら見ていたし、客観的に見ても楽しかった」という。 タイトルがかかる瞬間ながら楽しかった要因は「分からない」というが、勝つ自信があったのは確か。「素晴らしいメンバーがどんどん出ていったし、PK戦になったとしてもミッチ(GKランゲラック)が止めてくれると思っていたので。普通に勝つだろうなと」と心の余裕があった。 1年を通してみれば、苦しんだシーズン。開幕は無得点で3連敗。一度は持ち直したが、天皇杯初戦敗退、リーグ戦7戦勝利なしと、一時はどん底を味わい、秋の新戦術で手応えを得た。 その中で実感したのは、精神面の成長だ。2023年夏に広島から移籍を決断。昨季は「シーズンを通して移籍先で出させてもらって、もっと頑張らないとなって気持ちになった」と起用に応えるべく、自らを奮い立たせた。 グランパスと広島のクラブカラーの違いもある。ミーティングが多く「考えることは、すごく増えた」という。さらに、移籍の出入りが激しく、出られなくなる可能性がより身近にある。「サッカーがどんどん好きになっていってる。メンタル的な部分は、これから成長できる実感がある」と得るものも大きかった。 自負するものが2つある。グランパス育ちと地元出身だ。中学1年から同2年の夏まで下部組織でプレーした三重県鈴鹿市出身。「地元を盛り上げる意味では、地元出身の選手の活躍はすごく大事なことだと思う。ユースの選手たちがどんどん活躍するのは、クラブとしても、こんなにうれしいことはないと思うので。声を大にして言っていいのか分からないけど、自分もジュニアユース出身なんで。そういう気持ちは持っている」。自ら、看板を背負うつもりだ。 昨季のタイトル獲得は3年ぶり。強い鯱には物足りない間隔だ。「タイトルを取れなかったら、今年はダメだったというチームにならないといけない」。強「鯱」な思いで走り続ける。 ◆同郷・和泉とはプライベートでも「仲良くしていただいてます」 昨季は同じく三重県出身のMF和泉竜司(31)と前線を形成した。共通の知人が観戦に訪れるほか、プライベートでも「仲良くしていただいてます」。入団の経緯こそ違うが、同じくグランパス愛の強い先輩。「東海地方出身だし、移籍が多い中、それでもずっと頑張って出続けて、グランパスと言えばっていう選手になれれば本当にうれしい。竜司君もやっぱりグランパスが好き。そういう選手とともに、しっかり支えていきたい」と覚悟を示した。
中日スポーツ