北朝鮮の派兵、ウクライナ紛争長期化・拡大招く恐れ 米が警告
Phil Stewart Jonathan Landay [ワシントン 30日 ロイター] - オースティン米国防長官は30日、北朝鮮によるロシアへの派兵によってウクライナ紛争が長期化し、他国を巻き込む恐れがあるとの見方を示した。韓国の金龍顕国防相との会談後、共同記者会見で述べた。 約1万人の北朝鮮兵士がロシアに派遣され、ロシアの軍服と装備を身に着けているとし、ウクライナが8月に越境攻撃に乗り出したロシア西部クルスク州でロシアの戦闘を支援するために配置される可能性が高いと指摘。 「不安定化を招く危険なエスカレーションだ」とし、「紛争を長期化させ、拡大させる可能性がある」と述べた。 他国が戦闘に加わる可能性があるかとの問いには「他国にさまざまな行動を促す可能性がある。起こり得ることは多数ある」と回答。北朝鮮がロシアの戦争を支援すれば、北朝鮮兵は米国や米同盟国から提供を受けた武器を使用するウクライナ軍の標的となり、戦場で死亡する兵士も出るだろうと述べた。 金国防相は北朝鮮が派兵の見返りにロシアから戦術核兵器や大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの技術移転を求める可能性が高いとし、「(朝鮮)半島の安全保障上の脅威増大につながる可能性がある」と懸念を示した。 両氏は北朝鮮に対し兵力の撤収を呼びかけ、オースティン氏は「引き続き状況を注視し、同盟国やパートナーと協力して(北朝鮮兵を)戦闘に投入しないようロシアに促していく」と述べた。