「私は何を質問したいのか」ChatGPTの驚きの答え、ChatGPTは「いい質問」を作れるか?
これが正しいことは、その後さまざまな文章を書くようになって、明確にわかった。よいテーマさえ見出せれば、それについての文章を書くのはそれほど難しいことではない。「よいテーマが見つからないから書けない」のはほぼ自明だが、その裏命題(対偶命題の逆命題)も真なのである。 アメリカの大学院の学生は、コーヒーポットのある小さな部屋に三々五々集まって、雑談をする。雑談の中からテーマを見出そうとしているのだ。大学や研究所で最も重要なのはここであることもわかった。
日本の大学や会社にも、雑談の場所はある。コロナになってリモートワークが増えると、この類の雑談の機会が減って問題だと言われた。確かにそうかもしれない。ただし、この意見に全面的に賛成はできない。集まっても、上司の悪口ばかり言っているのでは意味がない。 その反面で、リモートでの雑談も十分に可能だ。事実、私は、高校時代の同級生とのZoom雑談ミーティングを定期的に行っている。先週のミーティングで、125回になった。
■質問があれば、答えは容易に得られる 私が留学生だった時代、「よい質問」を持っていても、それに対する答えを得るのは、簡単なことではなかった。 すべての質問を教室で聞くわけにはいかない。ほとんどの質問については、自分で図書館に行って調べるしか知る方法がなかった。 それから50数年の間に、答えを得るための技術は、著しく進歩した。1990年代初めから検索エンジンが利用できるようになり、1998年にGoogleの検索エンジンが登場して、知識を得る可能性が激的に向上した。
そして、2020年にChatGPTが登場し、疑問に対して直接に答えを出してくれるようになった。答えが簡単に得られるようになって、質問の価値が増大した。いい質問さえあれば、多大の収穫を得られるようになったのだ。 上記のことは、学校教育に大きな混乱をもたらしている。先生が課題論文を出しても、生徒がChatGPTに聞いて模範解答を簡単に作ってしまうからだ。それでは、課題論文を出す意味がなくなってしまう。いったいどうしたらよいのか?