俳優・柴本幸さん、アメリカ移住し「笛吹き」として活動…「笛との出会いは運命」
2007年のNHK大河ドラマ「風林火山」で、ヒロインの由布姫を演じるなど、多くのテレビ・映画に出演した俳優・柴本幸さん(41)。現在は大手芸能事務所の所属を離れ、アメリカ・ロサンゼルスに拠点を移し、リコーダー奏者として活動している。自らを「笛吹き」と名乗る柴本さん。なぜアメリカに移住して、「笛吹き」となったのか。一時帰国中に話を聞いた。(デジタル編集部 小関新人)
まず、現在の活動について。柴本さん自身の言葉によれば、「カリフォルニア州を中心に、笛の演奏会をしたり、笛で作った音源をSpotifyなどの音楽配信サービスで公開したり、必要な組織に提供したりしています」とのこと。「演奏会は、地域の図書館やギャラリーのような場所が多いですね。また、笛の優しい音色を癒やしのために求める方もいて、個人的に吹きに行くこともあります。笛で出来ることは何でもやっている感じです」と話す。自家用車を運転し、リコーダーを片手に直談判で取ってきた仕事も多いという。
師匠との出会いは「人生の宝」
リコーダーは、幼少期から好きだった楽器で、リコーダーとの出会いは「こうなってみると、運命だったように思います」と、柴本さんは振り返る。
きっかけは、NHKで放送されていたリコーダーの子供向け番組「ふえはうたう」だった。番組に出演していたのは、柴本さんが現在「師匠」と呼び、「出会えたことが人生の宝」と語る、リコーダー奏者の吉沢実さん(74)だった。
番組を通して、吉沢さんによるイギリスの民謡「グリーンスリーブス」の演奏に触れた。「信じられないような美しい音色を出していて、魔法使いのようでした」。それからは、師匠の笛がとにかく好きで、追っかけのように見ていました」。柴本さんの父は俳優の柴俊夫さん、母は俳優の真野響子さん。自宅には真野さんが子供の頃に使っていたリコーダーがあり、演奏にも挑戦できた。
柴本さんは小学校から慶応義塾で、幼稚舎(小学校)3年生の時、学校の講堂でリコーダーのコンサートがあった。そこに吉沢さんがいて、驚いた。吉沢さんは幼稚舎のリコーダークラブで指導していたのだ。柴本さんがそのことを知らなかったのは、5年生にならないとクラブに入れなかったから。5年生になるのを待ってクラブに入部した。「師匠に指導してもらえるのが、楽しくて仕方がなかったです」