【専門家・体験談】ASD(自閉スペクトラム症)とは? 保護者はどうサポートする?
発達障害の一つにASD(自閉スペクトラム症)があります。 「いつも通りに行動できないと嫌がる…」 「みんなに合わせて行動するのが苦手…」 「なかなか友達となじめない」 などのお子さまの様子に悩まれている保護者のかたもいらっしゃるのではないでしょうか。 この記事では、ASDの特徴やサポート方法などをご紹介します。 日常生活の中でのサポート方法や向き合い方について、保護者の皆さんからの体験談やコツもお伝えします。
自閉スペクトラム症(ASD)とは?
発達障害の一つである、自閉スペクトラム症(ASD=Autism Spectrum Disorder)は、以前は特徴や状態によって、自閉症やアスペルガー症候群など名称で分類されていましたが、現在は「自閉スペクトラム症」に統一されています。 ASDのかたの状態は非常に多様です。 たとえば、乳児期に言葉の発達の遅れが見られ、聞かれているのにオウム返しで答えるなど、言語やコミュニケーションでの特性が見られるお子さまがいます。 成長とともにコミュニケーションができるようになる場合もありますが、意図が捉えられないなどの問題が残ることがあります。 一方、言葉の発達の遅れがなく、会話能力があるお子さまもいます。 ただ、「ちゃんと」「ゆっくり」などの曖昧な言葉の意味が理解できないことがあります。 他にも、席替えの際に、「一度前の席に戻りましょう」と先生が声かけをしたところ一番前の席に座ってしまうなど、言葉通りの意味に受け取ってしまうこともあります。
「ASDあるある」特性と、困りごととは?
自閉スペクトラム症(ASD)のお子さまには、以下の3つの特性がよく見られます。 【(1)一般的な常識・ルールを察するのが苦手】 ・人よりも物への興味関心が強い ・人との距離感が独特 ・見知らぬ人に対する警戒心が薄い 相手の気持ちを察するのが苦手なために、悪気は無いのに、周りの人からは自分勝手、非常識などと思われて、怒りや反感を買ってしまうこともあります。 「こういうときはこうする」が自然に身につかないことも多いので、なるべく早いうちからソーシャルスキルトレーニングなどの療育を行うことで、成長とともに適応を促すことができます。