地形由来の名字「小川」。比較的関東地方に多く、千葉県で14位
小川(おがわ)
「小川」は地名や地形に由来する名字です。ただし、「小川」という地名も地形に由来することが多いため、「小川」という名字はどちらかというと地形由来の名字といえます。日本には山が多く、山に降った雨は小さな流れ、小川となって山を下り、次第に合流して大きな川になっていきます。 また、日本では稲作が生活の基本でした。従って、日本人の名字には稲作に関係する名字が多いのです。 稲の栽培には水が必須です。とはいえ大河は洪水をおこし、かえって稲作の脅威となります。こうした心配のない小川こそ稲作に最適で、平野や盆地を流れる小川は稲作にはとても重要なものでした。 こうした小川が流れている場所は全国各地にありますから、「小川」という名字も全国に広く分布しています。ベストテンに入っている県こそないものの、沖縄県・愛媛県を除く45都道府県で150位以内に入っており、全国にまんべんなく分布している名字といえます。 比較的関東地方に多く、順位的には千葉県で14位に入っているのが最高順位となっています。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家 1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。
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