“金”じゃなく「銀のしゃちほこ」の危機 いぶし銀の輝き復活のため瓦の街が挑戦始めたクラファン 愛知
長い間頑張ってきた2匹は…
2匹の巨大シャチはソラちゃん・ユメちゃんと名付けられて市民からも親しまれ、長い間1日も休まず美術館の来館者を見守ってきましたが…。 「毎日外で展示されていたので、巨大シャチの尾の方は亀裂が入っています。金具などで固定はしているんですが、いつ落ちてきてもおかしくない危険な状態です。今度大きな台風や地震が来たら耐えられないと思う」(山本さん) 2匹を実際に近くで見ると、表面にヒビが入っていたり、一部欠けている部分があったりと「長年頑張ってきた証」が数多く刻まれています。 「基本的には瓦用の接着剤を傷などに塗り込むが、中には一から復元しなければならないパーツもある。小さなパーツでも復元するとなると40~50万円程かかるので、それを考えると完全な修復には300万円以上かかる」(山本さん)
“巨大シャチ”を後世に残すためにクラウドファンディング
全国に誇る高浜市のシンボルを後世に残していきたい。山本さんが高浜市役所に相談したことがきっかけで市役所が立ち上げたのが、巨大シャチの修理費を募るクラウドファンディングでした。 「来年は、美術館の開館と瓦製巨大シャチ設置からちょうど30年で、その節目の年に日本の、ものづくりの魂が宿る作品のことを全国の人たちに知ってもらい、多くの方の力を借りて修復をしていけたらと思い、クラウドファンディングを実施することになりました」 (高浜市役所 榊原さん) 11月29日から始まったこのクラウドファンディングは、ふるさと納税と連携していて、寄付すれば税金の控除が受けられるだけでなく、高浜市外の方が寄付すれば瓦で出来た置物や地元の食材などの返礼品を受け取ることができます。 さらに寄附した人の名前を瓦に刻み、巨大シャチの近くに飾ることも予定しているそう。 「私自身、ピカピカの頃の瓦製巨大シャチを見たことがないので、クラウドファンディングを成功させてピカピカになった巨大シャチを見てみたいです」 「瓦は高浜市のアイデンティティで、そのシンボルである作品『瓦製巨大シャチ』は、これからも高浜市を訪れる方を迎えていただき、子どもたちにも残していきたい大切なモノなので、さらにこの先30年、それ以上ずっと残っていくように修復してあげたいと思っています」((高浜市役所 榊原さん)