【バイクサバイバル術】第1回:車線内のどの位置を走るかを考える
バイクで走行する時、あなたは何を考えているだろうか? 本来バイクの運転には高い集中力が必要であり、運転に関すること以外考える余裕はない。それでも人は慣れてしまうもので、最初は考えながら行なっていた行動を無意識に近い状態で行なうようになり、他のことを考えたり音楽を聞いたりするようになる。今回から始まるこのシリーズでは、色々な交通シチュエーションの中でライダーは何を考えているか、また考えるべきかを改めて考えてみたい。第1回で考えていくのは、「車線内の走行位置」についてだ。 【画像】バイクサバイバル術の図解&解説写真をギャラリーで見る(27枚) 文/Webikeプラス 後藤秀之
「キープレフト」は基本だが、絶対ではない
バイクで走行する場合、あなたは車線内のどの位置を走っているだろう? そう聞かれた時に、多くのライダーの頭の中に思い浮かぶのは「キープレフト」という言葉であり、「左端」という人が多いかもしれない。この「キープレフト」という言葉を教習所などで繰り返し聞かされることで、この「キープレフト」の呪文にかかり無意識に左端を走っているライダーも多いはずだ。もちろんこの「キープレフト」には道路交通法に基づく根拠があって提唱されているのだが、少なくともバイクの場合はこれが「絶対」ではないと考えるべきだろう。 まず、普段通りに走ってみて、自分が車線のどの位置を走っているか確認してみてほしい。普段気にしていなくても、改めて意識して自分が車線のどの位置を走っているかを確認することはとても重要だ。自分では「キープレフト」していると思っていたが、案外車線の中央あたりを走行していたというライダーもいるだろう。「キープレフト」が間違っていると言う気は全くないのだが、それに囚われ過ぎるのは場合によっては危険を招く可能性があるのも真実だ。いくつかの事例を挙げて、車線内の走行位置について考えていくことにしよう。 このように、「車線のどの位置を走るか」ということは、「他車との横方向の車間をどのくらい取るか」ということと同義と言えるのである。バイクはライダーの体が剥き出しになっているため、軽い接触であっても大きな怪我を負うこともある。そうした接触事故を避けるためにも、横方向の車間について意識してみて欲しい。これはある程度経験のあるライダーであれば自然に身についているものなのだが、一度意識して確認しておくことで事故を防げる可能性が高まるはずだ。