老健でリハビリに励み要介護度が改善した83才女性が、退所を余儀なくされた…理由は?対処法はある?介護福祉士が解説
要介護認定の結果に納得できないときは?
もし、松山さんが「要支援」の認定結果に納得できない場合、以下の2つの方法で要介護認定のやり直しを申請することが可能です。 1. 不服申し立て(審査請求) 各都道府県が設置する「介護保険審査会」に対して「不服申し立て(審査請求)」を行うことができます。 申し立てが認められた場合、要介護認定が取り消され、改めて認定が行われます。 ただし、審査請求には時間がかかるため、早期に再認定を受けたい場合は、次に紹介する「区分変更申請」を選ぶのが一般的です。 2. 区分変更申請 区分変更申請は、1か月程度で結果が通知されるため、早期に再認定を受けられます。ただし、申請しても必ずしも希望通りの介護度になるとは限らない点には留意が必要です。
正しい介護度に認定されるためにできること
介護度が実際の状態よりも軽く判定されるケースでは、認定調査の際に本人が普段以上に頑張ってしまい、正確な情報が伝わらないことが原因となる場合があります。そのため、認定調査には家族が付き添い、普段の様子を調査員に伝えることが大切です。 施設に入所中の場合、施設のスタッフが認定調査に同席する場合が多いですが、家族の同席も可能です。早めに施設側に希望を伝えておくと、認定調査の日程を調整してもらえます。 また、認定調査の前には、施設スタッフから普段の状態や、認知症のあるかたの場合は日頃の様子を聞いておくとよいでしょう。家族が参加することで、より正確な情報を調査員に伝えられます。
最後に
老健に入所後「要支援」となり、退所しなければならない状況になったら誰でも戸惑ってしまうものです。しかし、何の準備もないまま施設から退所を求められるわけではありませんので、ご安心ください。施設の支援相談員やケアマネジャーに相談しながら、退所後の選択肢を考えましょう。また、認定結果に納得がいかない場合は、再認定の手続きも可能ですので、状況に応じて検討するとよいでしょう。