TEAM UPGARAGE、NSXに代わるGT300参戦車両はメルセデス! ホンダ育成の野村が新加入……安定した戦い目指す
スーパーGT・GT300クラス参戦チームの中で、2025年シーズンの体制が注目されていたチームのひとつであるTEAM UPGARAGE。彼らは1月10日の東京オートサロンで、新たな車両、ドライバーについて発表した。 【ギャラリー】モータースポーツ色強めで現地の様子をお届け! 東京オートサロン2025 TEAM UPGARAGEは2019年より参戦車両をトヨタの86 MCからホンダのNSX GT3にスイッチ。そして近年はベテランの小林崇志の相方に、太田格之進や小出峻といったホンダの育成ドライバーを起用してきた。ただ彼らは2024年シーズンを最後にNSX GT3の使用を終了することを発表していたため、後継の車両はどうなるのか、そしてドライバーラインアップがどうなるのか注目となっていた。 オートサロンでの発表会では、まず2輪の全日本ロードや全日本ジムカーナ、全日本ラリーに参戦するアップガレージの社員ドライバー/ライダーの紹介を行なった後、新たにGTワールドチャレンジのジャパンカップにフェラーリ296 GT3で参戦することを発表。エントラントはTODA RACINGになるようだが、虎をイメージしたという黄色と黒のアップガレージカラーのフェラーリとなる。ドライバーは小林とジェントルマンドライバーのAKITAだ。 そして「(TV番組のように)引っ張るだけ引っ張りました(笑)」と石田誠代表がジョークを飛ばすと、いよいよスーパーGT参戦体制の発表に。2025年はメルセデスAMG GT3を使うことが明かされた。 「色々と事情があり、NSXは使いづらくなるということで新しいマシンを探していました。検討をした結果、このマシン(AMG GT3)が我々にとって最も優勝に近付けるマシンではないかと判断した」と石田代表。車両はつい先日完成したところで、今後ドイツから空輸して2月からテストを行なう予定とのことだ。 そしてドライバーラインアップに関しては、小林が継続参戦し、新たにホンダ育成ドライバーの野村勇斗が加入。車両はメルセデスに変わったが、ホンダ育成を預かるという流れは続くことになった。 野村は2024年のFIA F4でチャンピオンに輝いた新進気鋭の19歳。2025年はスーパーフォーミュラ・ライツにも参戦する。そんな野村は「まさか免許を取って1年も経たずにベンツに乗れるとは思いませんでした(笑)」と初々しいコメントで会場を笑わせると、「箱車(のレース)は初ですが、自信あります」と力強く意気込んだ。 そしてメルセデスのGT3を走らせるのは初めてだという小林は、「どんなクルマか想像できない」としつつ、「NSXはカッコよくてたまに速かったのですが、ハマれば速いけど遅い時の方が多いという、けっこう難しいクルマでした。ベンツは外から見ている印象だと、飛び抜けた速さはなくとも常に安定したパフォーマンスを出してくれる印象なので、今年は安定して上位にいきたい」と展望を語った。 2023年は2勝を挙げるも、2024年はランキング14位に沈んだUPGARAGE。いずれもシーズンも「ビッグポイントか、ノーポイントか」という極端なシーズンとなったが、今季は安定した走りでタイトル争いに絡めるか。
motorsport.com 日本版