EVだけじゃない多用途が魅力の「全固体電池」関連10銘柄
日立造船の全固体電池は国際宇宙ステーションの「きぼう」でも実証実験が重ねられてきた。今後はさまざまな用途に期待されている(イメージ写真:kawayasu/PIXTA)
日立造船(7004)は2月末、半導体製造装置メーカーが同社の全固体電池を採用、同社にとって初の商業ベースでの受注となった、と発表した。 半導体製造工程では真空状態での作業が伴うが、同電池は真空中での充放電が可能であるなど使用可能環境に柔軟性があり、今後も半導体製造装置メーカーからの継続的な受注が期待できるという。 日立造船は全固体電池で実績がある。2021年3月に、当時として世界最大級となる容量1000ミリアンペア時の全固体電池を開発。一躍、全固体電池関連銘柄として注目されるようになった。 さらに、2023年3月にはその5倍、5000ミリアンペア時の試作品を発表している。同社製の全固体電池の特徴である広い動作温度範囲や優れた耐環境性により、人工衛星や産業機械などでの採用を見込んでいる。 2022年3月に開始した宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究では、国際宇宙ステーションを構成する「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームに設置された「船外小型ペイロード支援装置(SPySE)」に、日立造船の全固体電池を基にした軌道上実証装置を取り付け、世界で初めて宇宙曝露空間での充放電を確認するとともに、1年以上にわたる充放電サイクル運用を達成している。
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野津 滋