「飲みニケーション」が若者に嫌われる3つの理由 お酒を楽しむか、親交を深めるかの使い分け
「単純接触効果って言うじゃないですか。心理学の本に書いてあります」 つまり、飲み会の目的が関係構築だったり、職場の雰囲気をよくすることであれば、数千円・数時間を使って飲み会をするよりも「他にもっと効果的な方法がある」と考えているのである。 ■お酒で認知能力、状況判断力が落ちたらどうなるか? 次に「(2)エンゲージメントが落ちる」についてだ。個人的な意見だが、とても気持ちがわかる。 エンゲージメントとは、組織に対する愛着心のことを意味する。昭和の時代であれば、重視されていたのは忠誠心(ロイヤルティー)であった。だから上司から「飲みに行くぞ」と言われたら、「わかりました」「ありがとうございます」と二つ返事で応じるのが、忠誠心の高さを示す証しだった。
しかし、今は時代が異なる。近年、着実に飲めない若者は増えているし、健康意識の高まりから、飲めるがあえて飲まない・少量しか飲まない「ソバーキュリアス」を好む人も増えている。何を隠そう、私もその1人だ。 酔いたくないというだけでなく、酔っ払っている人を見るのも好きではないという人も多い。シラフとのギャップに嫌悪感を覚えるからだ。お酒を飲むことで、認知能力、状況判断力などは確実に落ちる。お酒に強く、ふだんと変わらない人ならともかく、バリバリ仕事をする先輩、頼りになる上司がお酒の席で見せる別の顔に「冷める」という若者も多い。なぜなら、お酒を飲まない(飲めるが飲みたくない)という若者は、お酒によって認知能力、状況判断力が落ちてないゆえに、冷静に先輩や上司の言動を観察できてしまうからだ。
だから「飲み会」に参加すればするほど、職場に対するエンゲージメントが落ちてしまうのである。 最後に「(3)プライベートと仕事を分けたい」について。 これが一番ピンとくる人もいるかもしれない。要するに、飲み会は仕事の延長と感じるため、参加が任意であれば、自分のプライベートに時間を使いたいという考え方だ。 これは何も「家に帰ってだらだらYouTubeやNetflixを見たい」という非生産的なものだけではなく、「スキルアップのために英語の勉強をしたい」とか「家庭の時間を大切にしたい」などのもっともな理由がある若者もいた。そうした時間を削ってまで、飲み会に参加したくはないということだろう。