「飲みニケーション」が若者に嫌われる3つの理由 お酒を楽しむか、親交を深めるかの使い分け
■上司がコミュニケーションで意識すべき2つのポイント コミュニケーションを飲み会ばかりにたよっていると、先述の若者たちからは、好ましく思われない。もちろん、これは若者に限らず「飲みニケーション」が苦手な人も増えている。かくいう私(54歳)もそうだ。 とはいえ、ランチョンテクニックは、ビジネスシーンにおいて相変わらず効果はある。だから、お酒さえ抜けば、うまく活用できる(※ランチョンテクニックとは、心理学者のグレゴリー・ラズランが研究し有名となった技。飲食をともにすることで相手と交渉したり、関係を築く心理テクニック)。
では、世の中の上司は、どうすればいいのか。次の2つを意識していくべきだろう。 (1)お酒は好きな人とだけ飲む(お酒を楽しむことが目的のケース) (2)お酒抜きで食事やお茶をしながら会話する(親交を深めることが目的のケース) 原理原則は「相手の立場に立って考える」である。お酒が入れば誰でも仲良し――という画一的な発想は、もう通じない。だから「飲み会」は、行きたい人が行けばいいのだ。部下と関係を作りたい、ざっくばらんに話がしたいというのなら、お酒抜きで「場」を作ればいい。
前述したとおり「ランチョンテクニック」は効果がある。殺風景な会議室で話すより、美味しい食事やコーヒーを飲みながら会話する機会は積極的に作っていこう。長い時間も必要はない。30分でかまわないのだ。「飲みニケーション」は確かに役立つが、相手に合わせて「飲まずニケーション」と使い分けていくのが、今の時代には必要だろう。
横山 信弘 :経営コラムニスト