韓国戦、なぜ侍ジャパンは連続抗議に動じず25年ぶりの五輪決勝進出を決めたのか…甲斐のMVP級活躍と金メダル方程式
劇的な勝利で帳消しにはなったがベンチの継投ミスもあった。5回まで8奪三振、無失点の好投を続けた先発、山本の交代機である。 稲葉監督は、6回に3連打を浴びて1点を失い、なお無死一、三塁で右打者のヤン・ウィジを三振に取り、左打者のキム・ヒョンスを迎えたところで岩崎にスイッチした。 だが、その岩崎がスライダーを拾われて同点にされた。 試合後、稲葉監督は、7回が左打者から始まるなら大野、右打者から始まるなら伊藤だったという継投プランがあったことを明かした。6回途中の山本の降板には、なんらかのアクシデントがあった可能性もあり「(岩崎)優も難しい場面でなんとか同点までに抑えてくれた」とフォローした。 高代氏は、「球数は94球だったが、山本以上のピッチャーは中継ぎのメンバーにはいない。せめて同点までは任せ、6回を投げ切らせてから7回からの継投で良かっただろう。ただ建山投手コーチが本来は行くべきところでない場面でマウンドに行ったのでなんらかのアクシデントがあったのかもしれないが」という意見。 それでも今大会はベンチワークのミスをすべて選手がカバーしているのが特徴で、高代氏も「韓国先発のサイドハンドのコ・ヨンピョのシンカーに苦労したが、二巡目からは誰もが手を出さなくなった。代表チームに集まった一流打者の技術だろう」という。 オールアマで挑んだアトランタ五輪以来の銀メダル以上が確定した。決勝の相手は、韓国対米国の勝者。日本は、すでに両チームと対戦しているが、どちらも死闘となった。 高代氏は「投手力はどっちもどっちだが、打線は韓国の方がいい。金メダルの確率は、米国とやるなら70-30で有利、韓国とやるなら50-50だろう」と予想している。 ただ韓国戦を終えて“金メダル獲得方程式”が明確になったのは収穫だという。 「山本にアクシデントがなければ2009年のWBCのときにダルビッシュを決勝戦のクローザーに使ったように起用してもいい。大野がブルペンに入っていたので先発は森下だろう。そうなると先発の森下が6回まで投げれば、7回を投げっぷりとコントロールの良さが目についた伊藤に任せ、8回を平良、そして最後を山本で締めるという勝利方程式ができる。ここまで踏ん張った栗林は、何かのときのダブルストッパーとして控えさせておけばいい。この投手力が金メダルの決め手になるかも」と高代氏。 先発2試合で好投した山本を金メダル獲得用のクローザーに配置。「投げたくてウズウズしている」という伊藤と平良がセットアッパーの切り札になれば盤石の布陣。打線は山田、坂本、吉田の1、2、3番が好調で、山田も「バットが振れていて体もキレている」と明言している。5日に相手が決まり決勝は7日。 稲葉監督は決勝戦へ向けて「これまで通り全員で戦います」とコメントしている。
--------------------------------- 当該記事の見出しを当初「なぜ侍ジャパンはクレーム連発の韓国に競り勝ち25年ぶりの五輪決勝進出を決めたのか…甲斐のMVP級活躍と金メダル方程式」としていましたが、「韓国戦、なぜ侍ジャパンは連続抗議に動じず25年ぶりの五輪決勝進出を決めたのか…甲斐のMVP級活躍と金メダル方程式」に変更しました。(2021年8月6日16:30更新)