本を与えるだけではダメだった。現役東大生に聞く、子どもの好奇心を育む方法
環境を与えただけでは、興味は育たない
東郷:人生で必要な非認知能力は、勝手には育たないんですよね。「能力」なわけですから、学力や国語力などと同じで、意識しないと育っていかないと思います。 だから、本を与えたり、動物園に連れて行くだけで、勝手に子どもの興味が育つのかというと、それはきっと大間違いで。動物園に行くことは、あくまで必要な材料をそろえただけ。「その後、親御さんがどうしてあげるのか」が、大事だと思っています。 例えば、動物園で鳥のコーナーを見た時に、「オウムが二匹いるけど、色が違うね」と声をかけてあげると、「本当だ。なんでだろう?」と思ってくれますよね。子どもの興味を育てたいなら、どうすれば興味がもてるのか、興味をもつ方法を示す必要があると思っています。 僕たちは授業の中で、お子さんに「これ、おもしろそうじゃない? 」と、楽しそうに見せるようにしています。そうすることで、「ちょっとおもしろいかも」と思ってくれる。そして、「じゃあ、調べてみようかな」と興味を持つきっかけに繋がるように、意識しています。 すみれ:興味を育てるには、働きかけが必要なんですね。すると、親の負担も大きくなりますね。 東郷:そうですね。親御さん達にも、よく言われるんですよ。「共働きで忙しくて、子どもの興味に満足に答えてあげられない。だから、そこの部分をお任せしたい」と。 僕たちのサービスもそこを主眼に置いているのですが、お子さんの興味を伸ばすことによって、親御さんの根本にある「幸せな人生を掴み取ってほしい」という望みを叶えていけると思っています。
親の根本にある「本当の望み」とは?
東郷:親御さんには「良い大学、良い企業に行ってほしい」という、”社会的に考えて良い選択”も希望としてあると思うんです。でも本当は、「社会に認められて、尚且つ、子どもにとって良い選択」をするのが一番良いんじゃないかと、思っていて。親御さんもお子さん自身も、本当はここを求めているのではないでしょうか? すみれ:確かに、それが理想ですね。 東郷:そのためには、受験教育や公教育のような「広く均等に育てよう」の教育だけでは、ダメだと思うんです。だって、人間はみんなちがうから。受験教育だけでは養えない「自分が何をしたいかを見つける力」を育てる教育が、必要だと思っています。