33歳で欧州初挑戦、谷口彰悟が覆すキャリアの常識「ステップアップを狙っている。これからもギラギラしていく」
野心的な若手をまとめるリーダー。見据えるのは2026年ワールドカップ
もちろん中東の地が、谷口の最終目的地ではなかった。ヨーロッパへ挑戦できるチャンスをうかがっていた谷口と、香川真司、昨シーズン限りで引退した岡崎慎司に続く、リーダーを担えるベテラン日本人選手を求めていたシントトロイデンのニーズが合致。今夏の移籍が実現した。 日本企業のDMMグループが経営権をもつシントトロイデンには、さらなるステップアップを望む若手選手が数多く所属する。日本人選手では過去に冨安、MF遠藤航、MF鎌田大地が5大リーグへ羽ばたき、今夏にはGK鈴木彩艶がセリエAのパルマにステップアップした。 野心をたぎらせる若手のまとめ役を託されながら、谷口も「みんなのエネルギーをすごく感じるし、自分もいい意味で刺激を受けている」としながら、自身のプレーにこう言及していた。 「ベルギーリーグの特徴として、フィジカル面でより優位性を取ろうとしてくるチームが多い。どのチームにも個の能力が高い選手が多いので、そういうアタッカー陣との1対1でバチバチ戦い、ボールを奪い切れるようになれば自分のなかで引き出しも増えていくし、チームとしての結果もついてくる。その意味でも、僕はこのチームに経験を積むためにきたつもりはない。常に存在感を示し、あの選手がいるから難しい、と思わせるようなプレーを示していきたい」 シントトロイデンでのプレーは、森保ジャパンでのそれに直結する。9月シリーズで対戦した中国代表は帰化選手を、バーレーン代表もくせ者を前線に配置する。6月シリーズから導入している攻撃的3バックの真ん中で、ともに先発フル出場した谷口は無失点での連勝発進を縁の下で支えた。 その視線の先に、35歳になる直前に開幕する次回ワールドカップをすえる谷口が言う。 「代表は自分のなかで常に大きなものだし、いまは僕自身の最大の目標である2026年のワールドカップ出場を目指している。そのためにも所属クラブで常に高いパフォーマンスを発揮していかなければいけないし、存在感を示すだけでなく、まだまだ成長していかないといけない」