大阪府の吉村洋文知事は27日午後、大阪府庁で定例会見を行い、大阪市に本社を置く小林製薬の「紅麹（べにこうじ）原料」を含むサプリメントで健康被害が相次いでいる問題について「この食品を手元にお持ちの方は、決してそれを食することなく控えていただきたい。また、相談窓口がありますから、回収にご協力をお願いしたいと思います」と注意を呼びかけた。 【動画】大阪府の吉村洋文知事が定例会見（2024年3月27日）

サプリを摂取した人から腎疾患などの報告

［写真］会見で報道陣の質問に答える大阪府の吉村洋文知事＝27日午後、大阪府庁で

　小林製薬は今月22日に、紅麹成分を配合した機能性表示食品のサプリメントを摂取した人から、腎疾患などの報告が出ていると発表。27日の大阪市の報道発表によると、厚生労働省が同社から話を聞いたところ、健康被害事例が多数寄せられており、摂取して亡くなった可能性のある人が2人いるという旨の報告を受けたという。

大阪市は27日に3商品の回収命令を出した

　こうした事態を受け、大阪市は27日に、食品衛生法に基づいて同社に対し「紅麹コレステヘルプ」「ナイシヘルプ＋コレステロール」「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」の3商品の回収命令を出したと発表した。

府は大阪市や府内保健所と協力し情報共有

［写真］小林製薬の本社が入るビル＝27日、大阪市中央区で

　大阪府の吉村知事は、27日午後に行われた定例会見でこの件にふれ「回収命令が行政指導として行われたという発表がありました。大阪市とも府内の保健所とも協力しながら情報共有しているところです。健康被害を少しでも防ぐという観点から、様々な情報共有を行っているところであります」と述べた。 　また「大阪市保健所から発表がありましたが、この食品を手元にお持ちの方は決してそれを食することなく控えていただきたい。そしてまた、相談窓口がありますから、回収にご協力をお願いしたいと思います」と続け、もし、健康被害などがある人は保健所であったり医療機関で受診するよう呼びかけた。

「確認から2か月経過、すみやかに行政と相談すべきだった」

　今回の同社の対応については「大阪市によれば3月22日に初めて報告を受けたということで、健康被害が確認されてから2か月経過しているので、すみやかに行政と相談すべきだったと思います」と指摘。また「健康被害をできる限り防いでいくということを最優先にした行動をとってもらいたい」とも述べた。