台湾「軍事恫喝やめよ」 中国艦船100隻近くが第1列島線に展開、70日かけ準備か
【台北=西見由章】中国が計100隻近い軍艦と中国海警局の船を第1列島線(九州沖-沖縄-台湾-フィリピン)周辺に展開し事実上の海上演習を開始したことを受け、台湾の外交部(外務省に相当)は11日の声明で、中国に対し「軍事的恫喝と、地域の平和と安定を脅かす非理性的行為」をやめるよう要求した。 【画像】この夏、中国海警局の艦艇が南シナ海で確認。今回は第1列島線でこのような光景が繰り広げられている 台湾当局者は10日、中国による艦船の展開について、約70日間をかけて準備された「過去最大規模の海上軍事行動」と指摘。中国側が軍艦による模擬攻撃訓練や海警船による航路の封鎖訓練などを行っていると明らかにした。 中国側の狙いについては、トランプ次期米大統領が就任する来年1月20日までに第1列島線内の支配を見せつける示威行動だと分析した。また中国軍が演習の実施を発表しない理由として、台湾企業の投資を呼び戻すための複数の中台交流イベントが今月予定されていることも背景にあるとの見方を示した。 台湾の国防部(国防省)は11日、同日朝までの24時間に台湾周辺で中国の軍用機延べ53機の活動を確認したと発表した。うち延べ23機が台湾海峡の暗黙の「休戦ライン」である中間線を越えた。軍艦11隻と公船8隻も確認された。