マジで一生開けたくなくなるほど面倒なものも! オープンカーのソフトトップ開閉事情
昔と違って現代のオープンカーは開閉がカンタン?
だいぶ昔のことですが、ジャガーXJ-Sコンバーチブルの撮影をしていた際、幌を開けようとしたところ途中でフリーズしてしまったことがあります。当時のラグジュアリーカーらしく開閉は電動、全自動という代物。スイッチを押すとリヤクオーターウインドウが下がり、幌がスルスルと収納に向かうはずが、ウィンドウも幌も中途半端な位置で止まったままウンともスンともいわないのです。 【写真】屋根の取付がハンパなく難しい! ポルシェ718スパイダーとは(全13枚) バッテリーを外してみたり、ウインドウスイッチだけ動かしてみたりしたのですが、結局は解決ならず。幸い走ることはできたので、中途半端なまま返却に。 これを当時のボスに報告すると「だから幌は手動に限るのだ」としたり顔。 たしかに手動は確実かもしれませんが、やっぱり面倒くさい。下手すると面倒すぎて「オープン走行は年に1回くらい」なんてオーナーもいるようです。そこで最近のオープン事情をチェックしてみました。
むしろ開閉を繰り返したくなる!
マツダのロードスターはモデルチェンジのたびに開閉機構も進化している気がしてなりません。 初代モデルにしても手動ながら、ロック解除もさほど固くなく、幌自体もビニールなのでわりと簡単に畳み込めたものです。現行モデルになるとロックは1カ所のみで、しかもクランクなので軽いこと! さすが何十年も作り続けているだけあってそつのなさには脱帽です。 また、以前のコンバーチブルではだいぶ苦労させられたものの、現行のコルベットもロードスター同様にワンタッチ。ただし、最後のロックには相当なトルクがかかっているはずなので、弱くなったバッテリーなどでは大いに負担がかかりそう。 マニュアルで推奨されているかわかりませんが、アクセサリーのオンではなく、エンジンをかけた状態で開閉する方が安心でしょう。
面倒くさいけどまあ我慢できそう
ポルシェ911タルガは、タイプ964まではフレーム(骨)を折りたたむことで、ハードトップがコンパクトになり、フロントフード下に納められる設計でした。 なかなか合理的な設計だったものの、折り畳みにはコツ、あるいはフレームのテンションが強くて大の男でも苦労する場面もあったかと。しかも、このトップが微妙に重たいので、正直なところふたりがかりでやりたくなりました。 その点、ホンダS660はポルシェに似たタルガトップながら、サイズが小さいことが幸いしているのか骨の折り畳みや、ルーフそのものもコンパクトで軽そうです。ロックを外すところから、フレームを畳む手順こそありますが、慣れれば面倒と思うことなく開閉できそうな気がします。 また、意外なことにランボルギーニ・アヴェンタドールのタルガトップも手動による開閉。ですが、左右2分割されたトップの付け外しはそれこそワンタッチ。しかも、極小に思われるフロントフード下にスッキリ収まるという親切設計です。 入れる順番とか、荷室内で揺れないようロックするとか手順こそありますが、これはオーナーにとって望外のありがたさ、かもしれません。もっとも、オーナー自らがトップをしまい込んでいる姿は、「あれ? 手動かよ」などと突っ込まれそうでちょっぴり寂しいです(笑)。